コラム
中国産の墓石は大丈夫?③
2009年11月26日 公開 / 2009年11月27日更新
~前のコラムからの続きです~
■中国における墓石の“ごまかし”事例《1》
四国・愛媛県の大島にて採掘される伊予の銘石「大島石」。
特に産地に近い関西・中国地方では香川県の庵治石と並んで、
「墓石といえば大島石」といわれるほどの信頼と支持を得るとともに、
今日では全国的に知られる高級墓石材となっております。
大島石は「硬い」「風化に強い」「変色しにくい」
「水を含みにくい」などの優れた特徴を持ち、
何年経ってもその風合いの変化が少ないという石質が好まれ、
古くから墓石として使用されてきました。
また、墓石以外の歴史的建造物にも使用されています。
主なところでは、国会議事堂、赤坂迎賓館、大阪戎橋、愛媛県庁舎などがあります。
しかし、この大島石も最近では相当な量の原石が中国に送られ
日本向けの墓石として、加工されています。
この際に色目の悪い原石を、強い薬品を用いて表面処理を施し
見た目だけは比較的美しい大島石の墓石として製品化されます。
ある字彫り職人の体験では、こうして薬品処理を施された大島石は
本来の優れた特徴の一つである「硬さ」が損なわれ、
スカスカの状態で、安価な中国材の墓石にも劣るとのこと。
だが消費者は、れっきとした国産高級墓石材「大島石」の墓石として
それなりのお金を支払い購入しているのが現実です。
これは、決して珍しいことではなく
今現在も頻繁に行われている“ごまかし”の一つです。
~つづく~
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