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佐藤浩明

消化器内科専門医で「内視鏡検査」のプロ

佐藤浩明(さとうひろあき) / 内科医

さとうクリニック内科・消化器科

コラム

50歳以上で5人に1人はADLに障害?

2017年12月15日

テーマ:加齢に伴う変化の特徴

コラムカテゴリ:医療・病院

50歳以上で5人に1人はADLに障害?

おはようございます。福島市 さとうクリニック内科・消化器科の佐藤です。今朝は‘50歳以上で5人に1人はADLに障害?’という報告です。
 50歳代から60歳代前半の米国人男女の5人中1人に着替えや食事の支度、買い物といった日常生活動作(ADL)を難しくさせるレベルの機能障害があることが米カリフォルニア大学サンフランシスコ校(UCSF)のグループによる研究で明らかになった。中年期にADL障害があった人が10年後までに回復する割合は3割に届かず、その後もADLが悪化し続けることは珍しくないことが分かったという。
 着替えや入浴などのADLのうち困難を伴う動作が1つ以上ある場合を「ADL障害」と定義し解析した結果、追跡期間中に50~64歳の研究対象者の22%でADL障害が認められた。また、ADL障害がある人の16%はその後10年間にADLがさらに低下し、19%は死亡していた。一方、28%は機能が回復して障害のない状態に戻っていた。
今回の研究では障害の具体的な原因については検討されなかったが、ADL障害があった人の43%に関節炎がみられたほか、肥満者が同程度の割合を占めていたという。
 米イェール大学の別の研究者は「中年期の機能障害はその人が脆弱であることを示す“危険信号”と受け止めるべき」と指摘。もし高齢期を迎える前に機能障害を抱えることになった場合には、医師に相談してほしいと助言している。
 また、同氏は「定期的な運動や減量など生活習慣の是正によって関節炎などの状態が良くなり、将来的な機能障害リスクを低減できる可能性がある」と説明。70~80歳代の高齢者を対象とした同氏らの研究でも、運動プログラムに参加した高齢者は機能障害を抱えることになるリスクが低く、既に障害がある場合も運動によって回復する確率が約30%高かったと紹介している。なお、同氏は「理論上は高齢層よりも中年層の人たちの方が運動によって得られる効果は高いと考えられる」としている。
 一方、今回の研究を主導した別の研究者も運動することの重要性を強調。「運動するには必ずしもスポーツジムなどに通う必要はない。15分の散歩や自宅での軽いレジスタンス運動などから徐々に始めるのがよい」と助言している。また、同氏は「中年期の機能障害は危険信号」という意見に同意を示し、「医師と相談しながら生活習慣を見直すよい機会だと捉えるべき」と付け加えている。
 これはアメリカの例ですからもしかすると格差社会がそこまでは進行していない日本ではここまでではないかも?知れません。でも、中年期以降には何らかの障害が生じても決して不思議ではありませんので...逆に20-30代の比較的若い頃から散歩などの軽い運動を心がける様にすることが肝要かも?知れません!
2017.12.14 吾妻小富士

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