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佐藤浩明

消化器内科専門医で「内視鏡検査」のプロ

佐藤浩明(さとうひろあき) / 内科医

さとうクリニック内科・消化器科

コラム

周りが笑うと自分も健康に?

2017年6月27日

テーマ:長生きの秘訣

コラムカテゴリ:医療・病院

コラムキーワード: 糖尿病 食事糖尿病 症状糖尿病 予防

周りが笑うと自分も健康に?

 おはようございます。福島市 さとうクリニック内科・消化器科の佐藤です。今朝は「周りが笑うと自分も健康に?」という報告です。
 よく笑うことが健康改善に役立つことは知られているが、自分が笑わなくても周りが笑ってくれれば健康になる―ついそんなことを思い浮かべてしまうマウスの実験結果を慶應義塾大学の研究グループが報告した。ストレスを負荷したマウスに別のマウスの笑い声を聴かせると、ストレス負荷で通常減少する行動量の減少抑制やストレス抵抗性が亢進することが示唆された。受動的な笑いにも健康を改善する可能性のあることが明らかになった。
 マウスの鳴き声は幾つかに分類されており、20kHzは不快情動、50kHzは快情動を示すと考えられている。同グループは米国の研究者の快情動を示す50kHzの鳴き声を「笑い」とする定義付けに則り研究を行った。遊び道具などによってつくられた豊かな環境下でオスのマウスが夜間に発した「笑い声」を基に音源をつくった。この音源を別のオスのマウスに聞かせると、50kHz近辺の鳴き声を発し、「笑い声」にポジティブな反応を示した。そこで、老化促進モデルマウスに「笑い声」を30分間聞かせたときの行動量の変化を見た。通常食餌で飼育したマウスに比べ高脂肪食で飼育したマウスは、行動量が低下するものの、「笑い声」を聞かせると総移動距離が延び、無動時間が低下した。つまり行動量の低下が抑制される傾向にあった。
 また、30分間宙吊りにするストレスを加えたマウスに「笑い声」がどのような効果があるかを見た実験も行っている。ストレスを負荷した後に、対物反応を見るために、マウスに棒を近づけたところ(対物攻撃性テスト)、ストレス負荷前に比べ過敏になっていた。しかし、ストレス負荷後に30分間「笑い声」を聞かせたところ変化はなかった。「笑い声」によりストレス抵抗性が亢進する可能性が示唆されたという。マウスを豊かな環境下で飼育すると、脳由来神経栄養因子(BDNF)の発現が促進し代謝機能の改善に関与する遺伝子発現が活性化することが分かっている。同グループもエネルギー代謝や脂質代謝に関与する5つの遺伝子の発現を見たところ、「笑い声」を聞かせると発現量が増加傾向にあった。これらの結果から、受動的な「笑い」の介入は豊かな環境状態を誘発し健康改善に貢献すると結論付けた。
 近年では笑いの効用が取り沙汰されるようになり、それこそ医療の研究機関がお笑いの吉本と協力して笑いで糖尿病や免疫力が改善するというデータも出してきているようですが、今回の報告では周りの笑いでも健康に寄与する可能性が示唆されており、これは驚くべきことだと思います。でも、類は友を呼ぶとも言いますから笑いの絶えないヒトの周りには同じ様な人が集まるのかも知れませんから...結局はその本人が笑いを集めてきて相乗効果となるのかも?知れませんね。でも、笑いの効果恐るべしです(笑)

17.6.26 ツバメ
 当クリニックに飛来した第二陣のツバメ...子育ても佳境に入った様でもうすぐ雛が顔を出してくれそうです!

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