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小川芳夫

ファシリテーションの活用を支援するコンサルタント

小川芳夫(おがわよしお) / ファシリテーター

BTFコンサルティング

コラム

会社の会議の進め方:場を作る:今理解すべき3つの視点

2020年1月31日 公開 / 2021年8月16日更新

テーマ:ファシリテーション

コラムカテゴリ:ビジネス

コラムキーワード: 生産性向上 取り組みチームビルディング働き方改革

このコラムは、ビジネスパーソンの方々を対象に書いています。

会議の進め方、みなさん苦労していますか?
私BTFコンサルティングのファシリテーションを活用した会議の進め方は、次の4つから構成されます。

  1. 場を作る
  2. 意見を引き出す
  3. 意見をかみ合わせる
  4. 意見をまとめる


このコラムでは、「場を作る」について、今理解すべき3つの視点として、次の3点を書きます。
5分程度で読める内容です。


実際に会議を始める前に、会議室を予約したり、プロジェクターやフリップチャートを用意したり、ペンなどの文房具を用意したり、「物理的」な場を作る準備をしますよね。
その他に、どんな準備をしていますか?
このコラムで書く3点は「論理的」な場作りです。

私は、ファシリテーションを核としたコンサルティング・サービスを営んでいる個人事業主です。屋号を BTFコンサルティングといいます。BTF は Business Transformation with Facilitation の頭文字をとりました。トランスフォーマーという映画をご存知の方がいらっしゃると思います。クルマがロボットに変身したり、ロボットがクルマに変身したりする映画です。トランスフォーメーション(transformation)とは変身させることです。ビジネス・トランスフォーメーションとはビジネスを変身させてしまうことです。ビジネス変革とも言われています。「ファシリテーションを活用してビジネス変革を実現して欲しい、そのために貢献したい」と考え、この屋号にしました。

ファシリテーション(Facilitation)。「人と人が議論し合意形成をする。この活動が容易にできるように支援し、うまく合意形成できるようにする。」これを実現するためにはどうしたら良いのかという課題を科学的に考え、試行錯誤を繰り返しながら作りあげられた手法、これがファシリテーションです。ファシリテーションをする人をファシリテーター(facilitator)と言います。


1. プロセス設計とは?

会議開始時点で、「何の目的のために集められたのか」が不明の会議に参加したことはありますか?
会議が始まっても「何の目的のために会議しているのか」参加者に目的が伝えられずに (目的が合意されずに) 時間ばかりが経過していることはありますか?
もし、そういう経験をお持ちの場合、どう感じましたか?


バスツアーでミステリーツアーというのがあります。参加経験者に聞くと「どこに向かっているのか・どこに連れていかれるのかが分からない」ので面白いそうです。

一方、ミステリー会議はよくありません。事前に「何のために集め集まっているのか」について明らかにし、合意することが必要です。

「梨狩り」のバスツアーの集合場所に到着して、いざ出発という時になって、「あれ?ぶどう狩りだと思ってきたのに...」みたいなことにならないようにすることが必要です。

「何の目的のために集まっているのか」が合意されたら、次に「どこまでいったら集まった目的が達成されるのか」という目標、その会議の終了時点で到達していたい目標、を明確にしなくてはなりません。

ぶどう狩りのツアーなら、楽しい思い出とお土産を持って、安全に家に変えることが目標(ゴール)でしょう。
みなさんの会議では、どこまでいったら目標に到達したのか(会議が終わるのか)、会議が始まる前に準備していますか?
準備して、会議の冒頭で「この会議の目標(ゴール)は何々です。よろしいですか?」と言って参加者の合意を確認すると、それだけでも会議が変わりますよ。


さて、ツアーならツアー会社から旅程表をもらいますよね。あなたの会議は、会議の流れを事前に準備して、会議の冒頭で参加者の合意を確認していますか?
会議の流れとは、その会議の時間をどう使うのか、どうやって目標に到達するのか、を説明ものです。
「何の目的のために自分はこの会議室にいるのか」、「何が決まったら会議が終わるのか」が合意されていても、「どうやって目標に到達するのか」が合意されていないと参加者は安心できないものです。
ツアーを予約して旅程表が来なかったら不安になりますよね。同じです。この会議の流れ、アジェンダと呼ばれたりもします。

目的、会議の流れ、目標。
せっかく事前に準備するのですから、会議のインビテーションにも載せてくださいね。そして、会議の冒頭でリマインドすることをお忘れなく。


会議が続いてしまっている場合、会議室に来たものの、何の会議かとっさに思い出せない場合があります。呼んだ側はインビテーションに書いたよね、という感じかもしれませんが、呼ばれた側のことも考えて、是非会議の冒頭でリマインドしてください。これ結構重要なポイントです。

最後に、会議室は発言しやすい・発言が否定されない安心安全な場であることが必要です。そのために、会議参加者の方々に守っていただきたいグラウンド・ルールを事前に決める必要があります。このグラウンド・ルールは参加者の方々の納得をいただいて運用するものです。

グラウンド・ルールは、会社毎組織毎に異なります。発言する人が少ないという場合もあるでしょうし、話が長くて何をいいたいのかイマイチ不明な人が多い場合もあります。声の大きな人が数名喋って時間が過ぎてしまう場合もあるでしょう。会議会議で決めるべきグラウンド・ルールは異なります。

オンライン会議の場合、より一層プロセスをしっかりと設計する必要があります。
参加者全員がリモート参加ですか?一部の人は会社の会議室から参加し、一部の人はテレワークで自宅から参加でしょうか?会議の流れをどう進めるのか、具体的に設計することが大切です。『会社の会議:オンライン会議のファシリテーション:準備段階の確認チェックリスト』というコラムで、この辺りのことを詳しく説明しています。


この章は「プロセス設計」でした。会議は事前の準備(設計)が必要なのです。


2. チーム設計とは?

プロセス設計が終わると、誰が必要なのかが分かってきます。ということは誰が不要かも分かってくるということです。

会議に誰をよべばよいのか、これが分かるためには前章のプロセス設計が必要だということです。

会議がある程度進行した段階で、「ちゃぶ台返し」をする人がたまにいます。
会議において重要な人がそういうことをする場合があります。ちょっと怖いですよね。
そんな人こそ、よぶべきです。これキーポイントですよ。


会社の会議であれば、「一見違う意見に見えても、一歩ずつ丁寧に合意を重ねれば、必ず合意は形成できる」と私は信じています。「ちょっと怖い人」は最初から巻き込んで、チームの一員になってもらう必要があるのです。だから、「よばない」という選択肢をとるべきではありません。

また、どうやってチームビルディングしていくのか、案を持っておくことは必須です。
既にチームとして機能している場合は、あえて考える必要はないでしょう。まだ、チームになっていない、人が集まっただけのグループ状態の場合は、チームビルディングをどうするのか、最初に案を持って、その案を試し、結果をこまめに振り返りながら、打ち手を考えていく必要があると思います。

オンライン会議の場合は、オンラインで使用するツールが使えることが必須です。
誰をよぶのかが決まったら、その人が会議で使用する機能を使えるか否か大体見当がつくと思います。必要ならば、事前に練習会を開催するなど、準備をしておくことが賢明です。


この章は「チーム設計」でした。
誰を呼び、どうやって機能するチームにしていくのか、事前の準備(設計)が必要なのです。



3. アイスブレイクとは?

ウィキペディアによれば、『アイスブレイクとは、初対面の人同士が出会う時、その緊張をときほぐすための手法。集まった人を和ませ、コミュニケーションをとりやすい雰囲気を作り、そこに集まった目的の達成に積極的に関わってもらえるよう働きかける技術を指す。』とあります。

例えば、午後一番の会議で初対面の人が多い場合は、ランチ何を食べたかを何人かに訊くなどします。1時間の会義なら、使う時間は3分まででしょう。
半日くらいのワークショップであれば、体も使って和ますようなアイスブレイクを使うこともあります。

自己紹介というのは、話の長い人がいると、全員の自己紹介だけで時間を使ってしまう危険性があります。初対面の人がいるからといって、いつも自己紹介が必要ということはありません。
もし、自己紹介を入れるのなら、会議における役割をプロジェクターで皆の前に映し出して、それを見ながら短時間で自己紹介してもらうなど、事前にどうアイスブレイクの時間を使うのか、考えをまとめておくことが必要だと思います。

アイスブレイクは、沢山のやり方があるので、ご自分で調べてみるのもお勧めです。オンライン会議
で使えるものもあります。
「何故その会議でそのアイスブレイクをするのか?」目的は何なのか、「そのアイスブレイクを実施することによってどこに到達したいのか?」目標は何なのか、を明らかにしておくことが大切です。

この章は「アイスブレイク」でした。
なぜアイスブレイクを入れたいのかを考え、プロセスの一貫として、事前に準備することが良いと思います。事前の準備(設計)が必要なのです。



最後までお読みいただき、ありがとうございました。

この記事を書いたプロ

小川芳夫

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小川芳夫(BTFコンサルティング)

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