医療費高騰問題&OTC類似薬自己負担増について考える【後編】山梨 漢方 さわたや
病院で処方されているお薬を服用中のみなさん
処方されたお薬を服用することに罪悪感を感じていませんか?
僕のお客様や友人の中にも
「この薬、飲み続けていていいんだろうか」
と不安に思っている方が少なくありませんし
「薬に頼っていはいけない」
と考える方がとっても多いんです。
「薬に頼らずに自分の力で不調を治そう」
という考え方はとっても素晴らしい考えですが・・・・
睡眠導入剤や向精神薬などを服用している方は特に、そういったお薬を飲んでいる自分を攻めてしまったり
罪悪感を感じてしまっている方がかなりいらっしゃいます。
また、特定の種類のお薬を服用している人に対して、無意識に偏見を持ってしまっている方もいらっしゃいます。
でも、これってちょっと不思議だと思いませんか。
心の不調も、体の不調も、同じことで
風邪をひいたら風邪薬を飲む。
頭が痛ければ頭痛薬を飲む。
腰が痛ければ湿布を貼る。
それと同じように、眠れない夜が続くときや、不安で日常生活に支障が出るとき、その症状をやわらげる薬を使うことが、なぜ
「悪いこと」
になるのでしょう。
日本にはどこか、心の不調を体の不調と切り離して考える風潮があります。
心が苦しいことを「異常」と見なすような空気が、まだ残っているように感じます。
でも、心の不調は特別なことではありませんよね。
僕だって眠れない日があるし、過度の不安やイライラを感じる日があります。
これって異常なことでなく多くの人がわりと頻繁に感じているものだと思います。
カウンセリングを受けることに対してもまだまだ日本ではハードルが高い気がします。
昔、アメリカの人気SFドラマ「新スター・トレック」(原題:Star Trek: The Next Generation。レギュラーシーズンの放送に加えて様々な映画シリーズも作られたスタートレックシリーズ屈指の人気シリーズです。)
が大好きでよく見ていたのですが宇宙船のエンタープライズ号にカウンセラーが船医とは別にクルーとして登場しており、度々艦長始めクルーの心のトラブルと向き合っていたのが印象的でしたが
アメリカなどではそれぐらいカウンセリングや心の不調というものが特殊なものでなく、身近なものとして20〜30年前から取り上げられていたのに
日本では未だに風邪などと異なる特殊は不調として扱われていると思います。
ちょっと話がそれましたが
大切なことは、そのような不調が風邪をひくように誰しも起こりうる不調と知っておくこと
そして、もっと大切なことが自分でそういった心の不調に
「気づけているかどうか?」
だと僕は思います。
以外と自分の心の不調に気が付かず、イライラしたり、不安を感じても
「もともとの性格だから」
と不調として気が付かない方が多いんです。
気づけている人の方は
「自分を整えよう」「不調を改善しよう」
って対策を立てることができます。
そんな不調に気がついた時、一時的に不調を緩和するために薬を活用することが多いのですが
僕はそんな時に使う薬は、心やカラダを立て直すための「松葉杖」のようなものだといつも思っています。
どんな治療薬も長期にわたって飲み続ければ当然体に負担がかかります。
それは睡眠導入剤も、痛み止めも、抗生物質も、鎮咳去痰薬も、降圧剤も、抗アレルギー薬も、ステロイドも同じです。
睡眠導入剤や抗不安薬だけが特別なわけではありません。
眠れない、不安が強い、そういう状態を我慢し続けてどんどん消耗していくよりも、薬で症状を和らげながら、生活の養生や漢方など、根っこの部分を整えて、薬から卒業できるようにしていく。
骨折した時に一時的に松葉杖を脚の変わりにして移動しますよね。
しばらく松葉杖を使うことで足がしっかりと治癒し、自分の足で歩けるようになる。
薬とは自分の力だけでは生活するのが厳しい時、その時に使う「松葉杖」のようなものだと僕は思っています。
足をケガしたとき、松葉杖があるから前に進める。
薬も同じで、つらい時期を支えてくれる大切な道具です。
そして、病気の種類によっては、薬を飲み続けることで体調を安定させ、元気で長生きできるものもあります。
そういう場合、薬は「一時的な松葉杖」ではなく、「一生使う杖」かもしれません。
でも杖を使いながらでも、元気に出かけられるならそれは素晴らしいことだと思いませんか?
「一病息災」から「二、三病息災」の時代へ
昔から「無病息災」という言葉があります。一つくらい病気を抱えているくらいの人の方が、健康に気を配るので長生きする、という考え方です。
現代はさらに進んで、「一、二病息災」もしくは「二〜三病息災」の時代と言えるかもしれません。
健康診断をすれば今は色々病気が発見できるので、無病でいるのはかなり難しい時代です。
気が付かないで無病でいるよりは、早めに気がついて対処しながら
「二〜三病息災」
で元気に過ごせる方が僕は良いと思います。
持病があっても、薬や道具を上手に使いながら、やりたいことをやれる人生を送る。
松葉杖でも、車椅子でも、なんだって活用していい。
大切なのは「何も使わないこと」「頼らないこと」ではなく
使えるものを上手に活用しながら「やりたいことをやれる人生」を過ごすことだと思います。
薬を上手に使いながら、日頃のご自愛でカラダをいたわる。
対症療法と原因療法ってどっちが良いとか悪いではない、この二つは相反するものではなく、本来は握手して協力し合うものです。
これは漢方と西洋医学のようなもので
「漢方のほうが原因から治せるから良い」
「西洋医学のほうが悪いところに直接アプローチ出来るからすぐに治って良い」
など、どっちが良い悪い論争ではなく、どっちも活用するほうが建設的ですよね。
そんな風に薬は活用してほしいのですが、一つ気をつけてほしいことがあります。
健康管理は、人任せ&薬任せにしない
一つだけ気をつけてほしいこと。それは
「薬を飲んでいれば大丈夫」「医者に通院しているから大丈夫」
と、自分で自分の健康管理を疎かにしてしまうことです。
「血圧の薬飲んでいるから俺は大丈夫だ。平気平気!」と無理をしたり
「痛風の薬飲んでるから大丈夫だんだよ」と食事にまったく気を使わなかったり
「糖尿は薬飲んでるから問題ないんだよ」っと運動などせず、薬だけに頼っっているとどんどん薬は増え、カラダに負担がかかり、最終的には悪化の一途をたどります。
そうなった時に健康管理を薬任せ、医者任せにしていた方ほど
「この薬は効かなくなった、もっと効く薬を出してくれ」「ちゃんと薬飲んでいたのに悪化した、ヤブ医者だ」など、自己管理を棚に上げて人のせいにする方が少なからずいます。
これは自分の財産管理を全部人任せにしてしまったら、気がついたらスッカラカンだった、というのと同じです。
薬を飲むだけではどんな不調も治りません。
冒頭にご消化した睡眠導入剤や抗不安薬もただ漫然と服用しているだけではいつまで立っても薬から離れることはできません。
上手に活用することは大切ですが、依存せず、頼りっぱなしにならないためにも不調になった原因からカラダの立て直しをすることで、薬から卒業することができます。
なので、どんな不調も医者任せ、薬任せにせず、自分の意志と力で健康を維持していくことが、なりたい自分、やりたいことが出来る自分にしてくれます。
薬に後ろめたさを感じているあなたへ
このコラムを読んでくださっている方や、薬に抵抗感を持っている方の多くは、そもそも「薬任せ・医者任せ」にはならないタイプの方だと思うんですよね。
僕のポッドキャスト番組やnoteをわざわざ聞いたり、ご覧になってくださっているような、健康への意識が高い人だからこそ、薬の危険性もご理解されているので、飲むことに後ろめたさを感じてしまう。
だとすれば、その罪悪感は少し手放して良いと思います。
薬で症状をやわらげながら、体と心の根っこを整えていく。
そしてその薬を卒業できる日を目指せるなら目指す
病気の種類によっては一生付き合う必要のあるお薬もあるのえ、それならそれで上手な付き合い方を考える。
どちらであっても、薬を上手に活用して自分らしく元気でいられることが一番です。
妙に薬に対して拒絶する必要もないし、服用に関してどんなお薬でも罪悪感を感じる必要もありません。
その変わり、薬に依存したり、頼り切ってしまうことも良くありません。
ぜひ上手に薬は活用して、生活の質をできるだけ高い状態で維持していきましょうね。
そうすればきっと毎日の生活も充実すると思います。
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