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築40年でもリフォームで家賃下落リスクは抑えられる

2017年9月10日 公開 / 2021年7月23日更新

テーマ:不動産投資コラム

コラムカテゴリ:住宅・建物

マンション経営を成功させるには、家賃下落リスクを防いでいくことが必要です。新築時に比べて家賃が下がるのは当然で、新築マンションを購入すると築20年を経過した時点で、購入プランによっては収支から赤字が出ます。
これを回避するためには、築15年前後の中古マンションを購入することが賢い選択と言えるでしょう。
好立地の中古物件マンションであれば、メンテナンスをしっかり行うことでたとえ築40年を超えていても利益を出すことが可能です。


【投資家】背景茶

設備の劣化はリフォームで対応


マンション経営を成功させる一番の要因、それは購入時のプラン通りに運営することです。つまり購入時に計画したプランで長期的に運営していけることこそが、マンション経営を成功させるためにはもちろん、失敗しないためにも非常に大切な要素となります。

ではプラン通りのマンション経営を阻害する一番の原因は何か。
それは「家賃下落リスク」であると言えます。家賃の下落は、そのまま収益の悪化を意味し購入時のプラン通りの運営を困難にします。だからこそ物件を購入する前に、家賃下落リスクを回避する術をあらかじめ考慮しておくことが重要になります。
「家賃の下落」を考慮したマンション経営の賢い選択として、中古ワンルームマンションの購入を選択することをお勧めしたいと思います。さらに中古ワンルームマンションを購入したあとも、積極的にリフォームをすることで購入時のプラン以上の利益を生み出すこともできる運用を行うことが可能になります。
家賃下落の主な原因が「住宅設備の劣化」だとわかっていれば、設備の交換やメンテナンスで対応することができるので十分想定の範囲内になるでしょう。

家賃の推移は築20年でほぼ安定


通常、家賃は新築時を100%とした場合、10年を経過すると新築時の家賃の89%程度になり、20年を経過するころには83%に落ち着いて、その後は安定していきます。
新築で購入して20年を経過した時、新築時に比べ17%の家賃下落があるため収益が悪化し、新築での購入プランの収支から赤字が増えることになります。
はじめから築10~15年の中古マンションを購入すれば、家賃の下落は数%以内に抑えることができるので、購入時のプラン通りの長期的な運用のスタートが可能になるのです。

家賃の下落は何もしなければ防ぐことはできない


マンションの入居者は、ほとんどのケースが建物の外観より、部屋内部の印象で居住するかしないかを決めます。もちろん外観は綺麗にこしたことはないのですが、部屋の内装が古臭かったり、ひと昔前の設備であれば、生活をしていく上において使い勝手が悪いので、入居者の安定的な確保が難しくなるのです。
何もしなければ家賃が上がることはまずありません。逆に家賃が下がる理由はいろいろあるといえます。
新築から20年経過すると一般的に安定すると言われる家賃相場の中で、新築から20年を経過して家賃が下がり続けている物件の多くは、周りに新築物件が続々と建ち、住宅設備のグレードが経過年数とともに下がっていって競争力が落ちていき、それに連動するカタチで、家賃も下がってしまっているのです。


ビル群

中古物件を購入してリフォームで対策


そもそもマンションの家賃が新築の頃から何十年も一定であり続けるということはありえません。
そこで肝心なことは、たとえ築年数が経過しても、それが想定内の下落幅で賃料を維持できる立地、物件、状態なのかということです。
すべてのリスクを完全に回避することはできませんが、事前に予測してコントロールするためにマンション購入者が抑えておくべき3つのポイントがあります。
それが「立地」・「間取り」・「建物管理体制」の3つです。
「立地」については、会社や大学など人が集まる都心エリアであることや駅近物件であるということ。
「間取り」については、バス・トイレ別など、入居者から選ばれやすい間取りであること。
「建物管理体制」については、しっかりと管理されていること。具体的には、清掃されていなかったり、経年劣化により設備に不具合が生じたりすれば当然入居はつきづらくなり、家賃下落を引き起こしますので、日々の清掃・点検に加え、中長期を見据えた修繕計画を提示しているかどうかが長期的に賃料を維持し資産性を保つことに繋がっていきます。
この3つのポイントをしっかりと考慮した上で、購入前にマンションの家賃下落を想定し、収益の出ると予想される、築15年前後のワンルームマンションを購入することをお勧めします。年数が経過しても家賃の下落を抑えられるだけではなく、リフォームを適切に行うことによって家賃を上げることも可能であるからです。

築40年でもリフォームで家賃下落は抑えられる


たとえ築40年を超える物件であっても、好立地の物件であり適切なリノベーションを実施しているマンションは、下記の例の様に築年数を経過しても高水準の家賃を維持しています。

◯カーサ相生8階
月島駅 徒歩3分、24,30㎡、家賃(管理費込)92,800円、築年1973年
◯コーポ松園9階
北参道駅 徒歩8分、24,96㎡、家賃(管理費込)105,000円、築年1971年
◯和田荘3階
三田駅 徒歩5分、20,62㎡、家賃(管理費込)81,000円、築年1969年
◯築地武蔵野マンション9階
新富町駅 徒歩2分、23,72㎡、家賃(管理費込)90,000円、築年1971年
※レインズの成約事例を元に作成

これらの例を見ても、築年数が経過しても部屋の中をしっかりメンテナンスしておけば、家賃は高水準で維持することができるのです。
総じて、築15年前後のワンルームマンションを購入すれば、年数が経過しても家賃の下落は抑えられ、購入後にリフォームすることによって逆に家賃を上げることも可能になる。これが中古のワンルームマンション購入をお勧めする最も大きな理由だと言えます。
資産価値の維持はメンテナンス次第
バブル期に建築された風呂・トイレ・洗面が一緒になっている3点ユニットの部屋と違い、2000年以降に建築されたワンルームマンションは、高い家賃をとるために始めから工夫して建築されています。
またアパートと違い、共用部分の清掃やメンテナンスも週3回程度実施し、高品質を維持できています。
ですから、たとえ築年数が40年以上経過していてもしっかりと内装をメンテナンスしていけば、8万円以上の家賃水準を維持して収益を見込んでいくことが可能なのです。
このようにマンション経営を成功させるためには、いい立地が重要であることは間違いありませんが、マンションの資産価値を維持する対策としては、
建物の劣化を少なくする管理や細かいメンテナンスができる修繕計画も大切です。メンテナンスを適切に行うことで、家賃の下落を防ぎ、安定した家賃収入が見込めるようになります。

この記事を書いたプロ

仲宗根和徳

アフターフォローで評判の不動産投資アドバイザー

仲宗根和徳(株式会社和不動産)

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