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コラム
不動産は争いの種・遺言書は転ばぬ先の杖
2016年6月16日
近年身近になった相続問題
最近良く聞く言葉で「争族」という言葉があります。相続をめぐる遺産争いで親族が争うことを指す造語のようです。近年、相続税の基礎控除が4割引き下げになり、相続の問題は一部の富裕層だけではなく、持ち家を持っている首都圏の一般家庭でも身近な問題になりました。
相続税の納税が必要か否かにかかわらず、家族が遺産を巡って争いにならないような手だてをしておくことは、首都圏の持家世帯では必須と言っても過言ではないでしょう。しかし、相続は一部のお金持ちが考えるべき問題で自分たちには相続問題は関係ないと思っている方がまだまだ多いのも現実です。
でも本当にそれで良いのでしょうか?法務省の統計資料などをみると、むしろ主な財産は自宅不動産と僅かな預貯金だけという一般家庭の相続でもめごとに発展しているケースが非常に多い事が解りますし、実際の紛争事例を見てみると遺言書をあらかじめ用意しておけば回避できたケースが殆どです。また、大部分のケースで、その遺産の中に含まれる不動産がもめごとの原因になっています。
何故不動産でもめるのか?
何故、不動産はもめる原因になるのでしょうか?不動産の評価は、市場で売買される取引価格である「時価」、国土交通省が毎年1月1日時点の土地を算定した価格で、一般の土地取引の指標とされている「公示価格」、都道府県が毎年7月1日時点の土地を算定した価格である「基準地価」、公示価格の約7割程度で、前年の1月1日時点に市町村が算定し、3年に1度評価替えされる「固定資産税評価額」、毎年1月1日時点に国税局が算定した価格で、公示価格の約8割程度である「相続税路線価」等々・・・一物四価とも一物五価とも言われるように、非常にその金銭的評価が非常に解りずらいという問題があります。
それに加えて、実際に不動産を売却した時の譲渡課税や相続税の各種特例の適用要件との関連で、どの不動産を誰が相続するか、相続した不動産を何時売るかなどによって、同じ課税評価額、かつ、同じ売却価格の不動産でも、売却した場合、税引き後の手取り金額で1000万円を超える大きな差が付くケースもあり、相続不動産の売買実務に精通した専門家に相談して事を進めないと、後々、もめ事に発展するケースも珍しくありません。
遺言は転ばぬ先の杖
また、子供の居ない夫婦で相続財産の大半が自宅不動産というケースでは、夫が長年連れ添った妻に自宅に住み続けて欲しいと思っていても、遺言が無く、相続発生時に夫の兄弟が法定相続分を主張した場合、預貯金などで代償金の用意が出来なければ夫の想いに反して自宅を売却しなければならなくなるケースも考えられます。
このような場合でも、兄弟姉妹には遺留分が無いので、遺言書で妻に全て相続させるという記載があれば亡くなった夫の兄弟による影響をあらかじめ排除できます。
また、遺留分のある子供や親などと配偶者が相続人となる場合でも、あらかじめ夫が元気なうちに当事者間で合意形成をしたのちに遺言書を残し、代償金なども生命保険や預貯金などで手当てをしておけば、将来の「争族」を回避することが可能です。
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