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コラム
高齢者のペット問題を考える
2016年6月23日
人間もペットも長生きに
高齢化と核家族化が進むわが国では、近年、高齢者の単身世帯が増加しています。そんな中、一人暮らしの高齢者が大切な家族としてペットを迎え、心の癒しにしているケースも増えています。
最近ではアニマルセラピーという言葉もあるように、犬や猫などの愛玩動物による癒やし効果は多くの人々が認めていますし、実際にペットとの触れ合う事は、医学的にもプラスの効果があるそうです。
飼主さん亡き後の問題
しかし、一方で、高齢者がペットを飼育する場合、飼い主の高齢者が先に死亡したり、老人ホームへの入居や医療機関への入院により、飼いきれなくなり、ペットが取り残されるという悲劇も実際におきています。ご本人が元気なうちは、ペットを飼うことによるプラスの効果の恩恵に預かれますが、前出のような状況が発生した時に、残されたペットの引き取り手が無く保険所などに収容され、最悪殺処分になるという可能性もあります。
人間も近年医療の進歩や健康意識の向上により長生きになりましたが、ペットも飼育環境やフードの質の向上により長生きになっています。高齢者がペットを飼う場合、飼主亡き後の問題もちゃんと考えておく必要があるでしょう。
では、どのような対策がとれるでしょうか?例えば、家族同然の大切なペットに、自分の死後財産の全てをあげたいと思っても、犬や猫などのペットは法律上権利義務の主体にはなれませんので、遺言書に自分の財産を全てペットに遺贈すると書いてもそれが実現されることはありません。そんな時、どうすれば愛する家族であるペットを自分の死後守ってあげる事が出来るのでしょうか?
ペット問題にも家族信託の活用を
例えば、民法の規定する、負担付遺贈や死因贈与、生前贈与などの方法で親族や信頼出来る第三者に大切なペットの行く末を託す事が考えられます。「贈与」の場合は遺贈者と受遺者の間で「契約(贈与契約)」を結ぶことになりますので、そもそも相手が承諾するかどうかで契約そのものの成否が問題になります。「遺贈」の場合は遺贈者の「一方的な意思」で成立しますが、実際には受遺者に拒否されてしまうとペットは行き場を失ってしまいます。
そんな時に活用したいのが、民事信託制度を活用した、飼い主さんの死後もペットを守る信託スキームの組成です。平成18年12月15日に改正され平成19年9月30日に施行された民事信託制度の活用で、ペットの為に残したい財産を相続財産から切り分けることが可能です。これにより、民法の遺言規定で実現できなかったペットの為の財産継承のスキーム創りが可能になります。
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