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コラム
不動産オーナーの認知症への備え
2016年6月20日
不動産オーナーこそ認知症への備えが必要です
最近、アパートなどの収益不動産のオーナーから将来自分が認知症になったり、死亡して相続が発生したときに備えて何か対策を考えておきたいというご相談を頂きます。確かに、複数のアパートなどを所有する不動産オーナーが何の準備も無く認知症になってしまうと、不動産も含めてその方の保有する財産が全て成年後見制度の枠組みの中に入ってしまいますので、様々な不都合が発生する事が予想されます。
通常、アパートなどの不動産オーナーは日常的な修繕管理や空室が出た時の新規募集、長期的な修繕計画の策定、場合によっては物件を売却してより有利な物件に買い替えるなど、様々な事に対応しながら物件から収益を得る大家さん業を運営しています。ところが、本人が認知症になり成年後見人が付いてしまうとこれらの日常的に不動産オーナーが行わなければならない業務について、一々裁判所にお伺いを立て許可をもらわなければ行えない、また、お伺いを立てた結果否認されてしまい、本来必要な修繕工事が出来ないなど、特に法定後見の場合、本人の財産管理に関してかなり硬直的な運用になりこれまで通りの大家さん業の運営が非常に困難になってしまいます。
事例に合わせて段階的な対策を
この場合の対策としては、ご本人がお元気なうちに将来自分が認知症になったときに備えてご本人が信頼できる人を選んで、その方との間で任意後見契約を締結します。しかし、それだけでは不十分です。何故かと言うと、将来の認知症への備えと言っても、昨日まで全く問題なくお元気だった方が次の日の朝から急に認知症になるという訳では無く、通常はその過程で、少しもの忘れが激しくなった、足腰がだんだん弱って来た・・など、加齢に伴い徐々に心身の状態が変化して行くという現実があるからです。ですから高齢者の将来に対する備えも、そのような現実に即して段階的に2段構え、3段構えで対策を考えておくことが必要です。
一般的には、認知症になった時に備えて任意後見契約、その手前で認知症ではないけど足腰が弱ってきたという段階への備えとして財産管理契約、また、認知症になった後、大家さん業の運営に支障が出ないようにアパートなどの不動産やそれらの営繕修理にかかる費用や家賃の収受を行う金融機関の口座などを信託財産としてあらかじめ本人の財産から切り分けておくと良いでしょう。これにより、ご本人が認知症になった後も大家さん業は信託設定により支障なく運営でき、認知症のご本人のそれ以外の財産管理や身上監護は後見制度によって守られて行くという事になります。
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