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若山誠治

素材を生かした木の家から数寄屋建築まで、エコデザインのプロ

若山誠治(わかやませいじ) / 一級建築士

株式会社若山建築事務所 一級建築事務所 雨楽

コラム

敗戦国日本と安倍晋三という政治家

2022年7月18日

テーマ:戦争のこと

コラムカテゴリ:くらし

心から哀悼の意を表します。
安倍さんは日本だけでなく、国際的な要人だった。
その人が、白昼堂々、衆人の見守る中、素人の手製の銃で撃ち殺された。
こんなことがあり得るのか。
日本の警察は何をしてたんだ。
日本は世界中に大恥をさらした。

政治家安倍晋三さんに対しては賛否あります。
森も、掛けも、桜の会も、安倍さんはあの世に持っていってしまった。
氏が亡くなったことによって、これからいろいろな事実が明るみに出てくる可能性はあるけれど、
本人の口からこれらのことについて語られる機会は永遠に失われた。

少し落ち着いて来れば、
政治思想的なこと、人間性のこと、
これからもいろんなことを皆さん言うでしょう。
国葬になったからと言って、氏についての論評を憚るようなことがあってはならない。
賛辞も批判も大いに語るべきだ。

総理大臣として安倍さんほど外交に尽くした人はほかにいない。
安倍さんは長く日本国の代表として外交の表舞台に居た。

だから、安倍さんほど日本国が敗戦国であるという事実を痛切に感じていた政治家はほかに居なかっただろう。
外交の現場でいく度、敗戦国日本の悲哀を感じ歯噛みしたことだろう。

蜜月だと言われたトランプの口から出た言葉。
「晋三、けれど俺はパールハーバーのことを忘れていないぞ」
安倍さんは黙ってその言葉を聞いているしかなかった。
その心境を思うと、日本人として誠に口惜しい。

27回も会談を積んできたというプーチンから、ある国際的会議の場で多くの人たちの前で言われた。
「晋三、そんなに条約を結びたいんだったら、今すぐここで結んでもいいだぞ」
プーチンはニヤニヤしながら言った。安倍さんは苦笑いするしかなかった。
その心境を思うと、私も心がなんとも苦しくなる。

「4島取られたままで、平和条約なんて結べるわけがないだろう。
ウラジーミル、聞いておくが、ロシアは条約を結んだとしても、本当に守れるのか」
とプーチンに言えない安倍さんの苦渋。

トランプがパールハーバーのことを言うなら、
「ドナルド、だけど私も広島長崎のことを忘れていないぞ。東京大空襲のことを忘れていないぞ」
と言い返せなかった安倍さんの悲哀。

戦争は77年前に終わって日本は敗戦国になったまま、
まだロシアに占拠されている4島は取られたままだし、
アメリカから、原爆投下に対して、人道的見地からの日本国民と人類に対しての、反省の言葉、謝罪の言葉を引き出せないでいる。

安倍さんにはもっと生きて、外交の場で、今まで敗戦国日本が言えなかった様々な言葉を堂々と言って欲しかった。
安倍さんなら言えたかもしれなかった。
惜しい人を亡くした。
日本の敗戦国としての悲哀はまだまだ続く。

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