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科学と基準

菊池捷男

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テーマ:大切にしたいもの

昨日、新人弁護士からの報告と相談あり。
Aという依頼者が難しい性格の隣人から難題を突き付けられ、その解決に一定の金額を要求された。
その金額を支払うことで解決ができるのなら、そうしたい。ただ、今後も別の難題を持ち込まれると困るので,今後そのような問題(難題)を持ち込まないことを条件に隣人との件を解決してほしい、という相談を受けたが、弁護士としてどう考えるのがよいか、というものであった。
そこで、私は、答えた。
弁護士の仕事は科学である。
その相談者Aの要求に応えることは、科学に叶うことか?と。

同じ日、別の弁護士Bからも相談を受けた。それは甲(会社社長)という人物から、次のような相談を受けたが、どう答えるべきかというものであった。
すなわち、甲の相談の内容は、乙という従業員のことに関する相談であった。甲が言うには、従業員の乙は仕事をさせると実に優秀であるが、仕事以外のことに関してはその従業員乙の価値基準で物事を判断する傾向にあったため、人間関係の上で時々問題を起こしてきた。そして今般、社長の言葉がパワハラになるので慰謝料を支払えと言ってきた。実は、過去にも同じようなことがあったので、社長は言われるとおり慰謝料を支払った。今度もそうして解決するのがよいか?というもの。

これについても、B弁護士から私に相談があった。
そこで、私は答えた。
相談に来た社長に、考え方の根本に置く価値基準は、相手が持つ価値基準にするのか社長の価値基準にするのか質問してみることだと。

この二つの相談。実は内容は同じモノである。
ここで大切なことは、弁護士に限らず人のする仕事は科学に叶うこと。人の行動原理はその人の価値基準から生まれるものであること。

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菊池捷男
専門家

菊池捷男(弁護士)

弁護士法人菊池綜合法律事務所

迅速(相談要請があれば原則その日の内に相談可能)、的確、丁寧(法律相談の回答は、文献や裁判例の裏付けを添付)に、相談者の立場でアドバイス

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