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後見人制度の見直し
日本経済新聞2025年6月11日付け記事「成年後見、終了規定新設へ 法制審試案 交代もしやすく」によれば、法務大臣の諮問機関である法制審議会は10日、成年後見制度の見直しに関する中間試案として、次の案を策定したとのこと。
1.現在の成年後見制度の問題点
その1は、多くのケースで、一度後見人を付けると終生後見人を付けておかねばならないこと。
その理由は、後見人を付けるということは、認知症に罹患するなど「精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く常況にある者」が対象になるが、そのような人(被後見人)は、その状態が消失することは期待できないことが多いからである。
2.問題点
⑴ 被後見人を付ける理由は、遺産分割協議や病院への入院・施設への入所契約を結ぶため(つまりは被後見人のすべきこれらの法律行為を、後見任が代理する)などの1回限りの必要性がある場合であるが、いったん後見開始決定が出されると、後見人には他にすることはほとんどないにもかかわらず。いつまでも後見人でなければならないことである。
⑵ 財産管理は、後見人がすることにより、事故が起きない保障はないこと。
⑶ 後見人に、報酬を支払い続けなければならないこと。
⑷ 後見人は、定期的に、家庭裁判所に対し報告書を提出しなければならないことである。
⑸ 以上のような問題があるため、後見人制度を利用することに躊躇する人が多いことである。
3.問題点を解消する方法論
2の問題点を解消するには、制度設計の見直しをすることである。
前記日本経済新聞記事によれば、
⑴家庭裁判所が判断すれば後見人制度の利用を終了できる規定を新設する。
⑵あらかじめ家庭裁判所が利用期間を定めて満了時に利用を終了できる案を盛り込むこと。
⑶後見人を交代させやすくする規定も検討する。
以上、これらの改正点は、長年、弁護士の多くが、また、多くの制度利用者が、希求していたことであるので、大歓迎である。



