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敗れ続けているのか?日本の企業法務は

菊池捷男

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テーマ:企業法務の勘所

 2020/12/29付け日本経済新聞には、「日本企業、また敗れるのか 眠れる法務を放置するな」との見出しで一文が書かれているが、この見出しだけ読んでも、我が国企業の企業法務は、負け続けているように、マスコミには見えているものと思われる。

我が国の企業法務の弱さ
2023年2月6日付け日本経済新聞の「法務・知財を企業戦略に」と題する記事には、企業法務の弱さの原因として、
①企業法務の責任者が役員になることは少ない。
②一方、米国の企業には弁護士資格をもつ上級役員がいることが多い。
③米国企業の法務部門は新事業を法的に支えるなどの「攻め」にも貢献している。と書かれ。法務内部の問題として、
④日本の法務・知財部門は細部にこだわる傾向が強い。例として、スタートアップ企業と提携した大企業の法務担当者は、契約書の条文の中に提携で生まれたスタートアップの知財は両社共有の財産とするなどの条項を設けることに固執しがちである。そのため、
⑤あたら金の卵を産む鶏になる可能性のあるスタートアップ企業を、金の卵欲しさに、その腹を割いてしまう愚を犯している(この表現は新聞記事にはないが趣旨はこうなる。)、
⑥経営の視点のない企業法務は全体最適にはならない。
⑦近年では「経営と一体化した法務」が会社の命運を握ることが多くなってきた
などと書かれている。

前述の記事のほかにも、大企業が、スタートアップ企業を食い物にしているのかと思われそうな情報がある。すなわち、2020年11月25日付けの日本経済新聞の見出し「大手企業、新興の知財搾取 公取委が警鐘」の記事で、大企業などが新興のスタートアップ企業に対し、知財の無償提供を求めている実体があり、これらは独占禁止法に違反する恐れがあるとして警鐘を鳴らしていると報じている情報だ。

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菊池捷男(弁護士)

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