地方自治 概算払と前金払の違い
一 地方自治法の条文を紹介
第10章 公の施設
(公の施設)
第244条 普通地方公共団体は、住民の福祉を増進する目的をもつてその利用に供するための施設(これを公の施設という。)を設けるものとする。
2 普通地方公共団体(次条第3項に規定する指定管理者を含む。次項において同じ。)は、正当な理由がない限り、住民が公の施設を利用することを拒んではならない。
3 普通地方公共団体は、住民が公の施設を利用することについて、不当な差別的取扱いをしてはならない。
(公の施設の設置、管理及び廃止)
第244条の2 普通地方公共団体は、法律又はこれに基づく政令に特別の定めがあるものを除くほか、公の施設の設置及びその管理に関する事項は、条例でこれを定めなければならない。
2 普通地方公共団体は、条例で定める重要な公の施設のうち条例で定める特に重要なものについて、これを廃止し、又は条例で定める長期かつ独占的な利用をさせようとするときは、議会において出席議員の3分の2以上の者の同意を得なければならない。
3 普通地方公共団体は、公の施設の設置の目的を効果的に達成するため必要があると認めるときは、条例の定めるところにより、法人その他の団体であつて当該普通地方公共団体が指定するもの(以下本条及び第244条の4において「指定管理者」という。)に、当該公の施設の管理を行わせることができる。
4 前項の条例には、指定管理者の指定の手続、指定管理者が行う管理の基準及び業務の範囲その他必要な事項を定めるものとする。
5 指定管理者の指定は、期間を定めて行うものとする。
6 普通地方公共団体は、指定管理者の指定をしようとするときは、あらかじめ、当該普通地方公共団体の議会の議決を経なければならない。
7 指定管理者は、毎年度終了後、その管理する公の施設の管理の業務に関し事業報告書を作成し、当該公の施設を設置する普通地方公共団体に提出しなければならない。
8 普通地方公共団体は、適当と認めるときは、指定管理者にその管理する公の施設の利用に係る料金(次項において「利用料金」という。)を当該指定管理者の収入として収受させることができる。
9 前項の場合における利用料金は、公益上必要があると認める場合を除くほか、条例の定めるところにより、指定管理者が定めるものとする。この場合において、指定管理者は、あらかじめ当該利用料金について当該普通地方公共団体の承認を受けなければならない。
10 普通地方公共団体の長又は委員会は、指定管理者の管理する公の施設の管理の適正を期するため、指定管理者に対して、当該管理の業務又は経理の状況に関し報告を求め、実地について調査し、又は必要な指示をすることができる。
11 普通地方公共団体は、指定管理者が前項の指示に従わないときその他当該指定管理者による管理を継続することが適当でないと認めるときは、その指定を取り消し、又は期間を定めて管理の業務の全部又は一部の停止を命ずることができる。
(公の施設の区域外設置及び他の団体の公の施設の利用)
第244条の3 普通地方公共団体は、その区域外においても、また、関係普通地方公共団体との協議により、公の施設を設けることができる。
2 普通地方公共団体は、他の普通地方公共団体との協議により、当該他の普通地方公共団体の公の施設を自己の住民の利用に供させることができる。
3 前二項の協議については、関係普通地方公共団体の議会の議決を経なければならない。
(公の施設を利用する権利に関する処分についての審査請求)
第244条の4 普通地方公共団体の長以外の機関(指定管理者を含む。)がした公の施設を利用する権利に関する処分についての審査請求は、普通地方公共団体の長が当該機関の最上級行政庁でない場合においても、当該普通地方公共団体の長に対してするものとする。
2 普通地方公共団体の長は、公の施設を利用する権利に関する処分についての審査請求がされた場合には、当該審査請求が不適法であり、却下するときを除き、議会に諮問した上、当該審査請求に対する裁決をしなければならない。
3 議会は、前項の規定による諮問を受けた日から20日以内に意見を述べなければならない。
4 普通地方公共団体の長は、第2項の規定による諮問をしないで同項の審査請求を却下したときは、その旨を議会に報告しなければならない。
二 地方自治法の条文を、一部省略すると、わかりやすくなる
第10章 公の施設
(公の施設)
第244条 普通地方公共団体は、・・・住民の福祉を増進する目的をもつてその利用に供するための施設(「公の施設」)を設ける。
2 ・・・住民が公の施設を利用することを拒んではならない。
3 ・・・不当な差別的取扱いをしてはならない。
(公の施設の設置、管理及び廃止)
第244条の2 ・・・条例でこれを定めなければならない
2 ・・・・廃止し、・・・議会において出席議員の3分の2以上の者の同意・・・
3 ・・・法人その他の団体・・・(「指定管理者」)に、・・・管理を行わせることができる。
4 条例で、・・・必要な事項を定めるものとする。
5 期間を定めて行う。
6 ・・・当該普通地方公共団体の議会の議決を経・・
7 ・・・毎年度終了後、事業報告書・・普通地方公共団体に提出・・・
8 ・・・利用料金を当該指定管理者の収入として収受させることができる。
9 利用料金は、・・・条例の定めるところにより、指定管理者が定めるものとする。・・・
10 ・・・管理の業務又は経理の状況に関し報告・・調査・・・必要な指示
11 ・・・監理の業務の全部又は一部の停止を命ずる・・・
以下略
三 解説
1.指定管理者制度の目的
指定管理者とは、
普通地方公共団体が、
住民の福祉を増進する目的をもつて
その利用に供するために設けた施設(公の施設)につき、
その目的を
効果的に達成するため、
当該公の施設の管理を行わせるため、
条例の定めるところにより、
指定する
法人その他の団体
のことです。
2.公の施設の例
教育施設、福祉施設、体育施設、文化施設、公営住宅、墓地など。
なお、特別法(個別法)の規定によって、指定管理者制度を活用できないものがあります。
例
学校(学校教育法:設置管理主義)、
河川(河川法:管理者が限定されている。維持管理における事実行為は可)、道路(道路法:管理者が限定されている。維持管理における事実行為は可)、下水道(下水道法:管理者が限定されている。維持管理における事実行為は可)など。
3.指定管理者制度の対象にならないもの
(1)機械的な管理業務:例えば、施設の維持補修等の管理、警備、施設の清掃、展示物の維持補修、植栽の管理、
(2)当該施設運営に係るソフト面の企画(例えば、各種行事の企画等)