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事例紹介 公共工事による騒音被害で、自治体が賠償義務を負ったケース

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テーマ:民法雑学

公共工事による騒音被害で、自治体が賠償義務を負ったケース

仙台高等裁判所平成23年2月10日判決は,地方公共団体である福島県が工事施工者に対し水路橋敷設替えの公共工事を発注し,工事施工者が工事を行ったところ,騒音等が発生し,付近の酪農農家の乳牛が死亡するなどした事案において,福島県につき、民法716条に基づく不幸行為責任を認めています。
この裁判例の原審である福島地方裁判所平成22年2月17日判決は,「本件工事が行われていた期間中,・・・(福島県は)頻繁に原告からのクレームに対応していたこと,・・・福島県が,本件工事以前から,原告の酪農業等の状態を把握し,かつ,工事の騒音等が牛に悪影響を及ぼすことを認識していたことがうかがわれることからすれば,被告福島県には,本件工事の注文者として,工事施工業者に対し,本件工事に基づく騒音等を,受忍限度以下に抑えるために必要な指示をすべき注意義務があったというべきであり,被告福島県にはこれを怠った過失が認められる」と判断し、高裁はこの判断を支持したのです。

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菊池捷男(弁護士)

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