コラム
2021/06/22 報告とは、事実を言うことであり、意見を言うことではない
2021年6月22日
2021/06/22 報告とは、事実を伝えることであり、意見を言うことではない
東芝事件で、ついに昨日、東芝は、①今年の5月に監査委員会が書いた報告書と、②監査委員会が調査を委託した弁護士の書いた調査報告書を公にした。
①の報告書には、大株主の米ハーバード大学の基金運用ファンドから「著しく不適切な内容の接触を受けたため、議決権行使をしなかった」との回答を得たことが書かれていた。②の弁護士の報告書には「東芝と経産省が当時の経産省参与に対し、ハーバード大学のファンドに議決権を行使しないようにする方向で交渉することを事実上依頼した」と書かれていたようだ。
しかし、東芝の監査委員会は、これらの事実は書かず、意見として「東芝は、海外の株主に対する不当な干渉に関与したことは認められなかった」と書き、これを公表したようだ。
東芝の監査委員会は、善意に解すれば、『調査』の意味をはき違えていたといえるが、悪意に解すれば、事実を隠蔽したと評されてもやむを得ない。
調査とは、事実を伝えることであり、意見を言うことではないこと、肝に銘ずるべきだと思う。
これは、東芝に限らず、である。
関連するコラム
- 2021/05/11 スマート3 組織化、機能化、効率化 2021-05-12
- 2020/10/01 大田RC公式訪問記 2020-10-02
- 2020/09/26 米山記念奨学委員会研修会準備 2020-09-26
- 2020/10/19 「生理の貧困」とロータリーの奉仕 2020-10-19
- 2020/09/24 平田RC公式訪問記 2020-09-25
コラムのテーマ一覧
- 時々のメモ
- コーポレートガバナンス改革
- 企業法務の勘所
- 宅建業法
- 法令満作
- コラム50選
- コロナ禍と企業法務
- 菊池捷男のガバナー日記
- 令和時代の相続法
- 改正相続法の解説
- 相続(その他篇)
- 相続(遺言篇)
- 相続(相続税篇)
- 相続(相続放棄篇)
- 相続(遺産分割篇)
- 相続(遺留分篇)
- 会社法講義
- イラストによる相続法
- 菊池と後藤の会社法
- 会社関係法
- 相続判例法理
- 事業の承継
- 不動産法(売買編まとめ)
- 不動産法(賃貸借編)
- マンション
- 債権法改正と契約実務
- 諺にして学ぶ法
- その他
- 遺言執行者の権限の明確化
- 公用文用語
- 法令用語
- 危機管理
- 大切にしたいもの
- 歴史と偉人と言葉
- 契約書
- 民法雑学
- 民法と税法
- 商取引
- 地方行政
- 建築
- 労働
- 離婚
- 著作権
- 不動産
- 交通事故
- 相続相談
カテゴリから記事を探す
菊池捷男プロへの
お問い合わせ
マイベストプロを見た
と言うとスムーズです
勧誘を目的とした営業行為の上記電話番号によるお問合せはお断りしております。