コラム
2020/12/21 リーダーシップ⑨ みんなのためになるかどうかとは
2020年12月21日 公開 / 2020年12月22日更新
2020/12/21 リーダーシップ⑨ みんなのためになるかどうかとは
四つのテストの第四は、「みんなのためになるかどうか」である。
どういう場合が「みんなのためになる」のかと考えたとき、私は、三国志の中のある情景を思い出した。その話をしたい。
後漢の末、戦乱の日々が続いたが、中国大陸は、後漢の献帝の下で、魏王の曹丕、漢中王の劉備、呉王の孫権の三者が覇を競う時代に入った。
やがて、曹丕は、献帝に対し、帝位の禅譲を迫り、禅譲を受け、ここに400年続いた漢帝国が滅んだ。
すると、諸葛亮孔明は、漢中王の劉備に対し、劉備も蜀漢帝国を興し、皇帝の位に就くべきだと進言した。
しかし、劉備は、断固としてこれを拒否した。
すると諸葛亮孔明は言った。
漢という国は、帝位を曹丕に禅譲して滅んだ。今、劉備が蜀漢帝国を興さなかったら、昨日まで漢帝国の中の漢中王であった劉備は、これからは、曹丕を皇帝として戴く新しい帝国の中の、漢中という一地方の王でしかない。今日まで劉備に従ってきた臣下たちは、その一地方の王の家臣ということになる。それでいいのか。ここでは(みんなのためにもなる)蜀漢帝国の皇帝になるべきではないか、と。
これを聴いて劉備は、孔明の説く理を、豁然として理解した。かくて、劉備は、蜀漢帝国を興し、皇帝になった。その後呉王孫権も、同じように新たな帝国を興し皇帝になり、文字どおり、ここから三国鼎立の時代に入っていったのである。
このような話は、今も数多くあるのではないか?
一人の出世が、それを取り巻く関係者みんなのためになるということがあるはずだ。
「みんなのためになるかどうか」の一事例といえよう。
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