コラム
021/02/23 津本陽の「小説渋沢栄一」を読み始めた。
2021年2月24日 公開 / 2021年2月25日更新
021/02/23 津本陽の「小説渋沢栄一」を読み始めた。
今日の祭日、津本陽の「小説渋沢栄一」を読み始めた。
渋沢栄一は、日本の資本主義生みの親と敬称される人物というだけでなく、その著書に「論語と算盤」があるように、経済活動の中に道徳を活かすことをモットーとした人物であるからだ。つまりは、ロータリーでいう「職業奉仕」を実践した人物であるからだ。
彼は、1840年(天保11年)2月13日、名字帯刀が許されるほどの豪農の子として生まれ、幼児から学問に親しみ、若くして後に徳川第15代将軍になる徳川慶喜の家来になり、慶喜の弟の徳川昭武がフランスで開かれた万国博覧会に招かれた際の随行員の一人になってフランスに行き、1年以上フランスをはじめヨーロッパの国々の文物に触れ、資本主義の仕組みを学んだ。ここでいう資本主義とは、民間資本を集めて事業を興す、いまでいう株式会社の仕組みを学んだのである。
それと、彼は、フランスの民間人と政府の役人との間に上下の身分差がないことも学んだ。そのことが、彼を官僚ではなく、民間人としての事業家にしたのである。
彼は事業家にはなったが、自分の利益のためではなく日本のために、今でいう株式会社を広くつくることを考えた。
つまりは、渋沢栄一は、社会のインフラである株式会社の組織をつくり広めたのだ。三菱弥太郎はじめ財閥が自分たちの商売に精を出したのとは根本的な違いがあるのだ。財閥を起こした人物が全員男爵止まりであるのに対し、渋沢栄一が子爵にまでなったのは、そこに原因があるのだ。
なお、渋沢栄一は、株式会社の中でも、大きな事業をするために必要な資本を広く集めることのできる銀行の設立を急いだ。その結果、彼は、1873年(明治6年)6月11日「第一国立銀行」(現在のみずほ銀行)を設立した。
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