コラム
2021/01/26 孫子の教えは経験則とその有効性なり
2021年1月26日 公開 / 2021年1月27日更新
2021/01/26 孫子の教えは経験則とその有効性なり
孫子の教えに、「十倍の兵力なら包囲し、五倍の兵力なら攻撃し、二倍の兵力なら分断し、互角の兵力なら勇戦し、劣勢なら退却する。」というものがある。
さて、長篠の戦いについて、この理が適用できるかどうかを考えてみる。
長篠の戦いは、織田信長・徳川家康の連合軍3万8000人対武田勝頼軍1万2000人の戦いであった。
この戦いは、武田軍から出兵して仕掛けたものであった。
前記孫子の教え(理)が通るものなら、勝頼軍には勝ち目はない。
現に、武田軍の武将である山県昌景、馬場信春、内藤昌豊らは、眼前に展開した織田・徳川軍の配置を見ただけで、勝ち目はないと判断して、勝頼に撤退を進言した。しかし、勝頼はそれに従わなかった。
そして、戦いに入ったが、武田軍は完膚なきまでに叩かれ敗北した。
後は、勝頼軍、急坂を転げ落ちるように勢力を失い、ついには親類からも見放され、7年後、今度は織田・徳川連合軍から攻められ、天目山の露と消えていった。
長篠の戦いは、哀れというも愚かであった。
兵法の理に従わなかったからである。
兵法は叡知である。
経験則を教えるものだからである。
叡知の教えるところ、素直に学ぶことは重要だ。
今日、このことを我が身にも教えたい。
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