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2021/01/12 買収防衛策を定めた場合の処置と内容

2021年1月12日

テーマ:菊池捷男のガバナー日記

コラムカテゴリ:法律関連

2021/01/12 買収防衛策を定めた場合の処置と内容

1.手続について
破壊的敵対的買収などに備えて、会社が防衛策を準備することはあるが、これは必ずしも定款に定めておく必要はない。しかし、その買収防衛策というのは、会社法施行規則118条3号ロでいう、「基本方針に照らして不適切な者によって当該株式会社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組み」になり、事業報告書に記載しなければならないことになっているので、株主総会の普通決議で定めることが必要だ。
これを受けて、上場企業の中には非常に丁寧な手続や要件を定めているところもある。
インターネットで探すと、住友金属鉱山の「当社株式の大量取得行為に関する対応策(買収防衛策)の更新について(2019年2月14日)」というものがあったので、これなどを参考にするのがよい。
なお、コーポレートガバナンス・コードは、買収防衛策の導入・運用について、その必要性・合理性を検討し適正な手続きを確保するとともに、株主に十分な説明を行うべきである旨定めている(原則1-5)。

2.内容
買収防衛策として多いのは、ポイズンピル(毒薬条項)である。
すなわち、新株予約権割当方式である。
これは、敵対的買収者が現れたときは、会社から買収者以外の株主には新株を与えるが、買収者には新株を与えない(その代わりに金銭を与える)という内容のものだ。この方法だと、せっかく買収者が市場から株式を購入しても、議決権が希釈化されるので、会社を支配できるだけの株式は保有できないことになる(絶対とは言えないが)。それで買収防衛をするのだ。
なお、これがポイズンピル(毒薬条項)といわれるゆえんは、買収者は、株式を買い集めても、毒薬を飲まされたに等しくなるからだ。

この記事を書いたプロ

菊池捷男

法律相談で悩み解決に導くプロ

菊池捷男(弁護士法人菊池綜合法律事務所)

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