コラム
2020/12/29 黎明期のロータリー 1
2021年1月4日
2020/12/29 黎明期のロータリー 1
私の手元に、①「ロータリーの歴史年表(2020年6月30日改訂版) RID2710 PDG 諏訪 昭登(広島西RC)」と題する貴重な資料がある。
これは、今月の初めに今年度のRI(国際ロータリー)研修リーダーの一人、山崎淳一さんからメール添付で送られてきたものだ。この資料と、これも同じ頃入手した、②「詳説 アーサーF.シェルドン」(田中毅著)を読んだ感想として、黎明期のロータリーについて書いてみる。
なお、ロータリー黎明期を彩る人物としては、1905年のシカゴロータリークラブ創立者のポール・ハリス、ドナルド・カーター、1908年1月にシカゴロータリークラブに入会したフレデリック・シェルドンとチェスレー・ペリーなどである。
1.ポール・ハリスのロータリークラブ創立
― 親睦と物質的相互主義で始まり、社会奉仕が追加された時期 ―
ロータリークラブは、1905年(明治38年)2月23日、ポール・ハリス(満年齢36歳)が、シルベスター・シール、ハイラム・ショーレーおよびガスターバス・ローアと共に、シカゴロータリークラブを設立したのが始まりである。
そのため、この日がロータリークラブの創立日とされている。
ロータリークラブ創立の主たる目的は、「会員同士の親睦と物質的相互扶助」にあり、一業種一会員の原則がとられた。
1906年には、シカゴRC定款が制定され、その第2条「綱領」の中に「相互扶助」と「親睦」の概念が導入された。
2.奉仕概念の導入
同年12月に、ドナルド・カーターの提言により、定款を変更して「社会奉仕」の概念が追加された。実際にした社会奉仕は、1909年にシカゴ市内2か所に公衆便所を設置したことが最初だ。
3.アーサー・フレデリック・シェルドンのシカゴロータリークラブ入会 ― Service(職業奉仕)の芽生えと路線対立 ―
1908年1月にフレデリック・シェルドンとチェスレー・ペリーとがシカゴロータリークラブ入会した。
その1か月後の1908年2月に、ポール・ハリスはシェルドンを拡大委員長に任命する。それに応え、シェルドンはすぐ「職業分類表」を作成し、職業にServiceの理念を導入した。しかし、同年10月、ポール・ハリス会長がシェルドンのService理念と会員拡大を急進的に進めたことから、ハリー・ラグルスら互恵・親睦派との間に路線対立が生まれ、ポール・ハリスは会長2年目途中で辞任。シェルドンも拡大委員長を罷免されることになった。
4,国際ロータリー(RI)の誕生
1910年、チェスレー・ペリーが、当時16クラブ、会員総数1500人にまで拡大していたロータリークラブの連合体として、全米ロータリー・クラブ連合会(National Association of Rotary Clubs of America。を創設した。初代会長はポール・ハリスが就任)。自らは事務総長となった。シェルドンはBusiness Method Committee委員長となった。
なお、後年、全米ロータリー・クラブ連合会の創立の日をもって国際ロータリー(RI)創立の日とされた。
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