2020/07/12 さあ、明日から公式訪問行脚が始まる
2020/12/24 戦争と奉仕とロータリー
第二次世界大戦のときの、イギリスの首相であったウインストン・チャーチルは、戦後、随想録の中で、第二次大戦は「勝者の愚行」から起こったと書いている。
勝者の愚行の一つは、第一次大戦の戦勝国の政治家が、戦勝国国民のドイツに対する復讐の激情を押さえることができず、ドイツに対し支払能力を遙かに超える賠償義務を課して現物資産を取り立てたことである。
もう一つの愚行は、ドイツに軍隊を残したことである。
その結果、第一の愚行によってドイツでは物価の高騰、ハイパーインフレの発生、中間階級の没落、復讐を叫ぶナチズムの誕生を招き、第二の愚行とあいまって、第二次世界大戦が起こったというのである。
なお、チャーチルに言わしめれば、第一次大戦の勝者がすべきであったことは、敗戦国ドイツから国土の一部を割譲させ、あるいは国土を一定期間占領して、プロイセン以来の軍国主義の芽を摘む一方で、疲弊したドイツ経済の復興を助けることであり、これらは容易にできたのだが、戦勝国は逆のことをしたというのである。
また、その後、戦勝国のうちのアメリカは、ドイツに対し巨額の借款を与え、ドイツが必要とする物品を大量に輸出して経済の復興を助けたが、これはドイツの経済を破壊した後だったため、ドイツ国民から感謝されるよりも、英仏に対するより大きな復讐の念を呼び起こしたにすぎなかったということである。チャーチルの言によれば、復讐としてした現物賠償の取り立てが、相手国に復讐の念を呼び起こし、第二次世界大戦を招いたというのであるから、いかに、復讐が、無意味かつ有害であるかが分かろうというものだ。
それと同時に、私たちは、いわゆる中間階級といわれる階層を破壊してはならないということを学ぶ。
中間層にある人たちは、国の経済の根幹を支える人たちである。
これを破壊すると、国の秩序を崩壊してしまう。
現在,世界は、激しい変革とコロナ禍が蔓延する時代である。
富める者と富まざる者の差がより大きくなっている時代なのである。
それだけに、各国の為政者には、中間階層を破壊しないような施策が求められているのだ。
さて、このような中で、ロータリーは、奉仕に努めている。愛と寛容の心をもって。
今こそ、私たちロータリアンは、ロータリーの奉仕が、平和構築と紛争予防の一助になっていることを自覚し、さらにロータリー活動に注力していきたいものと思う。