ポレートガバナンス・コード改革が動き始めた② 代表取締役の解職をクーデターというのは、昔の話
Q
当社では、このたび定款を変更して、取締役会の決議を、書面決議でできるようにしたいと思っています。
会社法370条には、「取締役会設置会社は、取締役が取締役会の決議の目的である事項について提案をした場合において、当該提案につき取締役(当該事項について議決に加わることができるものに限る。)の全員が書面又は電磁的記録により同意の意思表示をしたとき(監査役設置会社にあっては、監査役が当該提案について異議を述べたときを除く。)は、当該提案を可決する旨の取締役会の決議があったものとみなす旨を定款で定めることができる。」と規定されているので、この規定どおりに定款を定めようと思ったのですが、現在のところ当社には電磁的記録を利用することはしていません。
そこで、当社の新たに設けようとする定款の字句は、会社法370条の字句から「又は電磁的記録」を削除しようと考えています。
そうした場合、将来、当社が電磁的記録で記録を残せるようにしたときは、電磁的記録による書面決議はできるのでしょうか?
A できないと思いますので、今般の定款変更では、会社法370条の条文どおりに定め、「又は電磁的記録」まで書くべきです。
その理由は、書面決議の方法による取締役会決議は、原則としてできないこと、定款に定めた場合のみできることですから、定款に「電磁的記録」という字句がない以上は、電磁的記録による書面決議はできないと考えるのです。