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弁護士業務に関する基礎知識 1 本人確認・委任・文書の完成まで

菊池捷男

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テーマ:その他

1 本人確認と委任契約

 弁護士に、何らかの事件又は事務の処理を委任する人(依頼者)は、弁護士に、本人確認のために必要な書類を、提示しなければならないことになっています。
 そして、弁護士に事件又は事務を委任したときは、委任契約書を取り交わすことになっています。
 
すなわち、本人確認と委任契約の締結は、弁護士の義務になっているのです。
 特に、委任契約の締結は、依頼者との間で、受任事件や事務の範囲、それに報酬の有無や額について、後日の争いを生じさせないため、絶対に必要なものになっているのです。
 弁護士は、“委任契約なくして報酬なし”と考えておかねばならないのです。

2 弁護士の最初の仕事(起案と案文の送付)

 弁護士が、事件又は事務の処理の委任を受けた場合に、最初にすることは、多くの場合、原稿の起案です。訴状案、答弁書案、相手方に対する連絡の文案、契約書案などがそれです。
次にすることは、起案したものを、依頼者に送付して、検討・吟味してもらうことです。

3 依頼者の返信
 弁護士が、訴状案などを起案し、依頼者にその案を送付した場合は、依頼者は、その内容を吟味・検討し、案文の修正を求める必要があると考えたときはその旨を、弁護士の起案した案文に納得できるときもその旨を、弁護士に伝えなければなりません。

 起案と修正を何度が繰り返すことで、依頼者に納得のできる、また、相手方(裁判所、相手方当事者など)に対する説得力をもった文書を完成することができるのですから、弁護士も依頼者も、起案とそれに対する意見の返信は、ともに重要な仕事になります。

 弁護士は、基本的には、依頼者の同意を得ない書面を、相手方(裁判所、事件の相手方)や、依頼者その人に対し、完成した文書として、提出、送付、交付などはしません。

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菊池捷男
専門家

菊池捷男(弁護士)

弁護士法人菊池綜合法律事務所

迅速(相談要請があれば原則その日の内に相談可能)、的確、丁寧(法律相談の回答は、文献や裁判例の裏付けを添付)に、相談者の立場でアドバイス

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