遺留分法理③ 遺贈(ここでは相続分の指定)+贈与により侵害された遺留分額の計算法理
1 計算式
遺留分侵害額の計算方法を定めた、最高裁平成8年11月26日判決の示した計算方法は、次の三つのStepを経てなされます。
Step1 遺留分算定の基礎財産額の算出
遺留分算定の基礎財産額 =相続開始時の財産(遺産)の価額 + 贈与財産の価額 - 債務全額
Step2 遺留分額の算出(遺留分権利者ごと)
遺留分額 = 遺留分算定の基礎財産額 × 遺留分割合 × 法定相続分 - 特別受益財産額
Step3 遺留分侵害額の算出(遺留分権利者ごと)
遺留分侵害額 = 遺留分額 - 相続によって得た財産の額 + 負担すべき相続債務額
2 特別受益の範囲は、遺産分割の際の具体的相続分を算出する場合とは、範囲が異なる
これは、遺留分法理②で解説します。