大切にしたいもの 5 責めない心
汝の敵を愛せよ!は,新約聖書の中の言葉。
しかし,凡々たる汝に,敵を愛することなどできるわけはない。
されど,汝が敵。すなわち,汝が有力な競争者や競業者,出世の妨げをしている目の上の瘤。の持つ,美質,麗質を褒めることはできる。
褒めて,褒めて,褒めまくることはできる。
無論,汝が,敵と思うほどの相手であるから,汝以上の能力があり,汝以上の社交性があり,汝以上の人気がある。
そこに見られる,美質,麗質を,褒める意識をもって見,それを強調して褒めるのである。
褒める相手は,誰でもよい。
褒めて,褒めて,褒めまくるのである。
そうすれば,汝自身に大きな変化が起こる。
汝の敵を見る目が,変わる。
嫉視の炎,敵意の邪雲に邪魔をされず見れるからだ。
それまでの,怒りや嫉視の,暗くてきつい目から,驚嘆と賛嘆に輝く,明るい目に変わるのだ。
目が,暗から明に変わると,汝の敵が汝を見る目も変わる。
やがて,汝は,気づくであろう。
汝の敵の目が,暗くてきつい目から,好意のこもった明眸に変化していることを。
ここまで来れば,汝は,更に一段と成長する。
そう,汝は知ることになる。
汝の敵の美質,麗質のすばらしさを。
かくて,汝は,敵の持つすばらしい才能や性格から,多くを学ぶことになる。
そのとき,汝からは,嫉視の炎も,怒りの黒雲も,敵という陰鬱な意識もなくなっているはずだ。
そのときは,汝は,意識することなく,つまらぬ井蛙の誇りなど考えもつかず,謙虚になり,人として成長していることになる。
汝は,敵と思う者,嫌いな者,競争者,出世の妨害をしていると思う者を,とにかく,褒めよ!
褒める箇所を探して,褒めよ!
褒めて,褒めて,褒めまくれ!