クイーン・エリザベス号乗船記⑥ 天気晴朗にして,波静か
一昨昨日,高校同窓会の帰途,松山駅で乗り換えた特急指定席でのこと。
我が輩,予讃線特急に乗り込み,我が指定の席に近づくと,我が輩の席の隣席に,ちょこなんと座られていた老齢の紳士と,通路に立ってなにくれとなく世話をやかれていた上品な顔立ちの高齢の婦人を目撃す。
やがて,婦人は,何列か後方の席に移動してそこに座すも,やがてまた老紳士のところへ行き,世話をやかれていた。
と,この婦人,我が輩の目で問う問いに答えるように,このグリーン席は満席で,夫婦別々に座ることになったと,言葉をかけてこられた。そこで我が輩,なるほど,そうなのですか。では,私の席はあなたのご主人様の隣ですので,あなたの席と換わりましょう,ということにあいなり,これが機縁となって話をすると,なんと,夫たる人は,私の尊敬する先輩とは旧制高校時代の親友ということが分かり,話がはずむ。
時は11月半ばなるも,このご夫妻の周りは,春風薫々。
やがて,列車は岡山駅に着く。このご夫妻,我が輩に丁寧なお礼の言葉を述べられ,別辞を交わす。