クイーン・エリザベス号乗船記⑥ 天気晴朗にして,波静か
好かば好かれる。憎めば憎まれる。相手の心は我が心の反射鏡
最近,このことが強く感じられるようになった。
この中で,我が輩,努めることは,無論,人間が好きになることである。
否,努めなくとも,人間に美なるものを見いだしたるとき,その人間が,自然に好きになる。
今月の初め,仕事で東京へ行く。
仕事の日が月曜日だったこともあり,日曜日に上京。半日,二人の友とその一人の友の娘さんと4人して会う。
会えば,好きになる。
談論風発。止むところなし。
公園を歩き,食事を共にし,昨日を語り,今日を論じ,明日を占う。
ときに微笑を浮かべ,ときに高笑する。
そして,共に今日まで生きてきたこと,否,生かされてきたことを感謝し,次に会うことを誓って,別れる。
つい,先日,高等学校の同窓会あり。
男性23名,女性15名の会合。
やーやー,久しぶり,などと語り合ううち,我が心は,時空を超えて,高校生に返る。
高校生の時以上に,そう遙かにそれ以上に,以前に増して好きになった友,友,友の顔,顔,顔。
朝,宿を出るとき,親戚の皆々までやってきて,善良そのものを,素朴な顔に浮かべて,笑い,語る。
会えば会うほど,人間が好きになる。
本日,ある会社の営業担当の社員が来る。
初対面である。
年齢を聞くと,我が長男と同年齢。
凜々しくも,熱誠を浮かべて,我が輩を説く。
内容よりも,なによりも,感じ入ったるは,この若者の姿勢。
営業の要請は,無論,一諾せり。