地理は風土を生み出し,風土は人をつくる
事業の承継者は,何を承継したいのか?いつ承継したいのか?事業の承継をするにふさわしい実力の涵養は,どのようにしてするのか?を明確に意識することは重要です。
そして,経営者が期待する実力の涵養に努めるべきです。
父である経営者が,後継者として,娘の夫をと,考え,後継者兼娘の夫探しをする場合,特に,このことは重要になります。
経営者の思うところと、後継者予定者の思うところについて、その意思を通じさせていなかったばかりに,まだ実力も十分でない娘婿が,現役で働いている岳父に対し,経営権の譲渡を要求して,岳父からは取締役の解任を,娘からは離婚を,通告された例もあるところです。
会社の後継者にならんとする者は,会社に入った時,その立ち位置を自覚するべきでしょう。また,経営者が,後継者に,何を求めているかを,考えるべきでしょう。
通常,会社経営者は,娘婿を,後継者候補だからといって,甘やかす意思はないと考えておかなければなりません。
ところが,往々にして,娘婿は,後継者になることが既得権でもあるように考え,実力を超える待遇を求めるという、甘えを露呈することもあるのです。
岳父が,娘婿の態度を見て,困った奴だと、大きくため息をついている傍らで,娘婿は,自分の甘えが十分に満たされない不満を,岳父への反発など、態度で示し,会社内が,ガタガタするということもあるのです。
立ち位置を知り,実力を知り,会社内における後継者予定者に対する回りの目を自覚し、実力を高める努力をすることが,娘婿に限らず,事業の承継者には,求められるのです。