間違えやすい法令用語1 「施行する」・「適用する」
1 漢字から平仮名に
接続詞の「かつ」は,古くは漢字で「且つ」と書かれましたが,平成22年11月30日付け内閣法制局長官決定「法令における漢字使用等について」では,平仮名で「かつ」と書くべきものとされています。
2 語と語を併合的に連結する接続詞
「かつ」は接続詞で,「及び」や「並びに」とともに,併合的連結を表す場合に使われます。
3 密接不可分・一体的な語を接続
「かつ」は,連結される語が互いに密接不可分であり,両方の語を一体として表現することに意味があるような場合に用いられることが多いようです。
「友好的かつ平和的」,「総合的かつ効率的」,「適正かつ合理的」,「適正かつ円滑」などという使い方です。
4 「あわせて」とか「とともに」と意味を込めて,文と文,文節と文節を接続する場合にも用いられます。
「公共の利益のために勤務し,かつ,全力をあげて専念する」や「整備し,かつ,明確にする」という使い方です。
5 読点「,」を付けないのは語と語の接続の場合,読点を付けるのは文と文の接続の場合
例えば,地方自治法では,「地域における行政を自主的かつ総合的に実施する役割」(第1条の2),「長期かつ独占的な利用をさせる」(第96条)など,語と語の接続では読点を付けず,「これを送付し、かつ、・・・を請求することができる」(同法125条)など,文や文節の接続では読点を付けているのです。