相続相談 41 相続分の譲渡と贈与税
A氏感心していわく。
Q
へ~。遺言書はトラブル防止の意味もあるんですねぇ。他に,トラブル防止のために書く遺言というものがあれば,教えてください。
そこで,私は,
A
動産をどうするか決められてはどうですか?
と勧める。
A氏
Q 動産をですか?そりゃあ,一緒に住んでいる妻が相続するのに決まっていると思いますが,問題になることがあるのですか?
そこで,私,
A
ありますよ。動産といっても,経済的な価値のある書画骨董から,経済価値のない家財道具までありますが,これらの存在や価値について争いが起こることがありますのでね。奥様に全部相続させるつもりなら,「動産はすべて妻に相続させる」という内容と,「それについても持戻し免除をする」という内容の遺言書を書かれたらどうでしょうか?
かくして,A氏は,その旨の遺言書を書くことにしましたが,A氏の所有する動産は,①自宅内と➁銀行にある貸金庫内と③別荘内にあることから,遺言書は次のようなものになり,昨日の遺言書に書き加えました。
別荘内にある動産は,別荘を相続する相続人に相続させる予定で,別荘を相続させる相続人は,現時点で決めていなかったこともあり,三項の文言にしたものです。
遺言書
一 (昨日の持戻し免除条項のママ)
二 自宅内にある動産及び・・・銀行・・・支店にある貸金庫内にある動産はすべて妻に相続させる。
三 ・・・にある別荘内の動産は,遺言により別荘を相続する者に相続させる。
もし,本遺言書の効力が生ずるまでに遺言書による別荘の相続人が決まっていない場合は,妻に相続させる。
四 前二項の財産についても,持戻しを免除する。
平成28年1月4日
A ㊞