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(補説) 固定資産税に関するQ &A

菊池捷男

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テーマ:不動産法(売買編まとめ)

1 固定資産税とはどんな税金なの?
 固定資産の所有という財産価値にかかる税金(財産税)です。
 金子宏「租税法(第11版)」508pは,固定資産税は固定資産の所有の事実に着目して課せられる財産税の性質を有するものと解説しています。
2 名義上の所有者と真実の所有者が違う場合はどちらに課税させるの?
 名義上の所有者です。
 最高裁判所昭和47.1.25判決は,「固定資産税は、土地、家屋および償却資産の資産価値に着目して課せられる物税であり、その負担者は、当該固定資産の所有者であることを原則とする。ただ、地方税法は、課税上の技術的考慮から、土地については土地登記簿または土地補充課税台帳に、家屋については建物登記簿または家屋補充課税台帳に、一定の時点に、所有者として登記または登録されている者を所有者として、その者に課税する方式を採用しているのである。」と判示しているところです。
3 では,真の所有者は,固定資産税を免れることができるの?
 いいえ。名義上の所有者に対し,名義上の所有者が納めた固定資産税の返還をしなければなりません。
 前記最高裁判所判決は,「真実は土地、家屋の所有者でない者が、右登記簿または台帳に所有者として登記または登録されているために、同税の納税義務者として課税され、これを納付した場合においては、右土地、家屋の真の所有者は、これにより同税の課税を免れたことになり、所有者として登記または登録されている者に対する関係においては、不当に、右納付税額に相当する利得をえたものというべきである。」と判示して,真の所有者は,名義上の所有者に対し,名義上の所有者が納めた固定資産税の返還をしなければならないものとしています。
4 都市計画税はどうなの?
 固定資産税と同じ扱いになります。
 前記最高裁判決は,1と2の「理は、同種の性格を有する都市計画税についても同様である。」と判示しているからです。この判決は,名義上の所有者が,納付した固定資産税と都市計画税について、真の所有者に対し、不当利得として返還請求をすることも認めました。

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