(応用問題)建築条件付き売買契約の解除のできる時期
最近,ある土木建築会社の監督者から聞いた話ですが,
Aが自宅を取り壊し,宅地を整地し,その宅地をBに売却し,
B,その宅地に建物を建てることにして,当該土木建築会社に請け負わしたそうです。
その会社の下請業者が,宅地にコンクリートパイルを打ったところ,1本が地表面下4mのところで固い物にぶつかりその先に進まなくなったため,下請会社は,パイルが岩盤その他の支持層に到達したと判断し,そこで当該杭の打設作業は完了
したこと,しかし,元請けの監督者,4m程度掘っただけで支持層に到達するわけがないとして,宅地を掘削,すると,4m下に埋められていた冷蔵庫を発見し,杭はこの冷蔵庫に当たり,下請会社は杭が支持層に到達したものと誤解したことが判明したとのことです。
この経験から,くだんの監督者は,現在マスコミで報道されている杭データーの改ざん問題(2015年に起こったコンクリート杭が支持層に到達しないのに到達したとの杭データの改ざん事件)は,どこにも転がっているのではないかとの感想を述べていました。
砂上の楼閣ならぬ,基礎のない土地の上の建物でないことが祈られます。
1 コンクリートがらは「隠れた瑕疵」か?
東京地裁平成15.5.16判決は、コンクリートがら等の地中埋蔵物が存在する土地は、買主にその撤去工事や地盤改良工事を強いることになるので、「隠れた瑕疵」になる、と判示し、その費用相当の損害賠償請求を認めました。
2 地下杭はどうか?
東京地裁平成15.12.1判決は、地中に、直径30cm、長さ8mの地下杭(PHCパイル)が30本あっても、それらが地下室建築にあたって杭が障害となるような場合を除いて、「隠れた瑕疵」には当たらない、と判示しました。