マンション㉑ 規約変更の有効,無効
区分所有法10条は,
「敷地利用権を有しない区分所有者があるときは、その専有部分の収去を請求する権利を有する者は、その区分所有者に対し、区分所有権を時価で売り渡すべきことを請求することができる。」と規定しています。
これは,例えば,マンションの敷地権が借地権で,各区分所有者が,敷地権の割合で,賃料債務を,分割債務として支払っているようなケースで,ある区分所有者が,自己の賃料債務の支払をしないために,土地の賃貸人から,賃貸借契約を解除されたような場合を想定しますと,この場合,土地の所有者は,その区分所有者に対し,専有部分の収去を請求する権利を有することになります。
しかしながら,一棟の建物の中にある,ある特定の専有部分だけを撤去することは,物理的にも経済的にも,できるものではありません。
そこで,法10条は,その場合は,土地の所有者は,区分所有者に対し、区分所有権を時価で売り渡すべきことを請求することができることにしたのです。
この場合の,「時価」は,敷地権のない状態の時価ですから,ずいぶんと低い金額になるでしょう。