契約書知識 16 契約書の表記は公用文表記法による
集合動産譲渡担保設定契約書
*****株式会社(以下「甲」という)と株式会社*****(以下「乙」という)とは,乙が甲に対し負担する債務を担保するため,乙が有する動産につき譲渡担保権を設定するべく,以下のとおり契約(以下「本件契約」という)を締結する。
第1条(債権の表示)
本契約によって担保される債権の極度額及びその範囲は以下のとおりとする。
① 極度額
****万円
② 債権の範囲
甲乙間の平成**年**月**日付*****契約に基づく一切の債権
第2条(担保動産の表示)
乙は甲に対し,前条に定める債務を担保するため,本日下記の場所(以下「本件保管場所」という)に現在保管し,将来搬入する,*****等動産の一切を譲渡した。
記
所 在:**市*区**町一丁目1番1
住居表示:**市*区**町一丁目1号1号
******
床面積 ****.**㎡
第3条(所有権の移転等)
乙は甲に対し,担保動産の所有権を甲に移転し,占有改定の方法により引き渡しを完了した。
第4条(担保動産の処分)
乙は甲より預かり保管中の担保動産については,通常の商取引に基づいて,第三者に販売できるものとする。ただし,乙は甲に対し,善良な管理者の注意義務を持って保管するものとする。
第5条(報告)
1 乙は甲に対し,毎月末現在の担保動産の状況を翌日15日までに文書により報告するものとする。
2 前項のほか担保動産について甲が報告を求めた事項については速やかに報告しなければならない。
第6条(期限の利益喪失)
① 甲に対する債務の履行を怠ったとき
② 乙が担保動産を正常な取引によらず処分したとき
③ 担保動産につき第三者により仮差押,仮処分,差押え等の法的手続がなされたとき
④ 破産,民事再生,会社更生,特別清算等の手続開始の申立を受け,又は自ら申立を行ったとき
⑤ その他本契約或いは甲乙間の他の契約に違反したとき
第7条(担保動産の引き渡し)
乙が前条にもとづき甲に対する債務について期限の利益を失ったときは,甲は乙に対し担保動産の引き渡しを請求できるものとし,乙は甲の請求に異議なく引き渡しに応ずるものとする。
第8条(第三者の差押え等)
担保動産につき第三者により仮差押,仮処分,差押え等の法的手続がなされたとき,乙は担保動産が甲の所有物であることを主張して,右執行を防御するものとし,かつその旨を速やかに甲に通知するものとする。
第9条(担保動産の処分)
甲は乙より返還を受けた担保動産を任意の方法により処分し,処分等に要した経費を除いた残額を債権の弁済に充当することができる。
第10条(合意管轄裁判所)
甲及び乙は本契約に基づく紛争については,**地方裁判所をもって第一審の管轄裁判所とすることに合意した。
本契約の成立を証するため本書2通を作成し,各自記名捺印のうえ各一通を保有する。
平成 年 月 日
甲
乙