使用者のための労働問題 普通解雇と懲戒解雇の違い
1,労働契約法の改正による無期転換申込権の発生
「労働契約法の一部を改正する法律」が平成24年8月10日に公布し,平成25年4月1日から施行されましたが,有期雇用労働者には,労働契約法18条により,無期転換権が付与せられました。
すなわち,労働契約法18条1項に「・・・通算契約期間・・・が五年を超える労働者が、当該使用者に対し、現に締結している有期労働契約の契約期間が満了する日までの間に、当該満了する日の翌日から労務が提供される期間の定めのない労働契約の締結の申込みをしたときは、使用者は当該申込みを承諾したものとみなす。・・・この場合において、・・・労働条件は,現に締結している有期労働契約の内容である労働条件・・・と同一の労働条件・・・とする。」と規定されたのです。
要は,有期労働契約が反復更新されて通算5年を超えたときは、労働者の申込みにより、期間の定めのない労働契約(無期労働契約)に転換できるということになったのです。この権利を無期転換申込権といいます。
注:通算契約期間は,平成25年4月1日以後に開始する。
その前から有期労働契約が開始していても,それまでの期間はカウントしない。
有期労働契約とは、期間の定めのある労働契約のこと。呼称は関ない。
派遣社員は、派遣元(派遣会社)と締結される労働契約が対象となえう。
2,無期転換申込権に関する特例 (明日から施行されます)
平成26年11月28日「専門的知識等を有する有期雇用労働者等に関する特別措置法」が公布され,平成27年4月1日から施行されます。
対象になる労働者は,
①高度専門職(第一種特定有期雇用労働者)と,
②定年後引き続き雇用された労働者(第二種特定有期雇用労働者)
です。
参照:専門的知識等を有する有期雇用労働者等に関する特別措置法
(目的)
第一条 この法律は、・・・有期雇用労働者の特性に応じた雇用管理に関する特別の措置を講じ、併せて労働契約法・・の特例を定め、もって国民経済の健全な発展に資することを目的とする。
(第一種計画の認定)
第四条 事業主は、・・・雇用管理に関する措置についての計画(以下「第一種計画」という。)を作成し、これを厚生労働大臣に提出して、その第一種計画が適当である旨の認定を受けることができる。
(第二種計画の認定)
第六条 事業主は、・・・雇用管理に関する措置についての計画(以下「第二種計画」という。)を作成し、これを厚生労働大臣に提出して、その第二種計画が適当である旨の認定を受けることができる。
(労働契約法の特例)
第八条 ・・・第一種認定事業主・・・有期労働契約に係る労働契約法第十八条第一項の規定の適用については、同項中「五年」とあるのは、・・・特定有期業務の開始の日から完了の日までの期間(当該期間が十年を超える場合にあっては、十年)」とする。
2 第二種認定事業主・・・有期労働契約に係る労働契約法第十八条第一項の規定の適用については、定年後引き続いて当該第二種認定事業主に雇用されている期間は、同項に規定する通算契約期間に算入しない。
(適用除外)
第十二条
2 この法律は、同居の親族のみを使用する事業については、適用しない。