自治体のする契約 2 私法上の契約と公法上の契約
ありません。
最高裁昭和61年7月14日判決では,国の管理する一級河川の堤防上に成育するケヤキの木からの落葉による被害は住民の受忍限度内であり違法ではない,と判断しています。
上記判例は,住民ら所有の建物の屋根瓦のくぼみに落葉が集まり,雨樋内に落下してこれを塞ぎ,降雨時には雨水があふれるなどしていたことから,住民らは国に対して,ケヤキの木の切除,落葉が住民らの建物に飛ばないようにする措置,損害賠償を求めたという事案です。
裁判所は,ケヤキの落葉等が住民らの土地建物へ侵入することは自然現象であり,住民らの受忍限度内であることから,違法と観念することはできないとの原審の判断を維持しました。