契約書知識 16 契約書の表記は公用文表記法による
1,手付の性格による種類
手付には,証約手付と解約手付と違約手付の三つがあります。
2,証約手付
証約手付とは,契約成立を証明するための手付です。
売買契約書での書き方としては,次のようになります。
(手付金)
第○条
買主は,本契約の締結と同時に,手付金として金★円也を売主の指定する次の金融機関口座に振り込む方法により支払う。なお,振り込みに要する費用は,買主が負担する。
銀行名:★銀行★店
口座名義:
口座種類:
口座番号:
2 前項の手付金は証約手付とし,利息を付さない。
3,解約手付
解約手付とは,買主はその手付を放棄し、売主はその倍額を償還して、契約の解除をすることができるという手付です。
民法557条1項は,「買主が売主に手付を交付したときは、当事者の一方が契約の履行に着手するまでは、買主はその手付を放棄し、売主はその倍額を償還して、契約の解除をすることができる。」と規定していますが,これは契約書に手付について性格付けをしていないときは,この規定が適用されますので,この場合の手付は解約手付ということになります。
売買契約書での書き方は,次のようになります。
第○条
買主は,本契約の締結と同時に,手付金として金★円也を売主の指定する次の金融機関口座に振り込む方法により支払う。なお,振り込みに要する費用は,買主が負担する。
銀行名:★銀行★店
口座名義:
口座種類:
口座番号:
2 手付金には、利息を付さない。
3 売主は、買主に受領済の手付金の倍額を支払い、また、買主は、売主に支払済の手付金を放棄して、それぞれ本契約を解除することができる。
4 前項による解除は、相手方が本契約の履行に着手したときはできないものとする。
4,違約手付
違約手付とは,買主が契約に違反したときは,手付金は売主が没収し,売主が契約に違反したときは,売主はその倍額を支払うという手付のことです。
売買契約書での書き方は,次のようになります。
第○条
買主は,本契約の締結と同時に,手付金として金★円也を売主の指定する次の金融機関口座に振り込む方法により支払う。なお,振り込みに要する費用は,買主が負担する。
銀行名:★銀行★店
口座名義:
口座種類:
口座番号:
2 手付金には、利息を付さない。
3 買主が契約に違反したときは,手付金は売主が没収し,売主が契約に違反したときは,売主はその倍額を支払う。