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民法雑学 弁護士会照会制度の趣旨(いわゆる23条の2問題)

2014年11月10日

テーマ:民法雑学

コラムカテゴリ:法律関連

 弁護士会が,弁護士会23条の2第1項に基づき,弁護士からの申し出を受けて,同条第2項に基づき,銀行に対し,弁護士の依頼人の債務者及びその関係者の預金口座の有無、口座番号、残高等の情報について報告を求めた場合は,銀行は,正当な理由がない限り,これを拒むことはできない(東京地方裁判所平成24年11月26日判決)が,この義務は,弁護士会に対する義務であって,弁護士会に,その報告を求めるよう申し出た弁護士に対する義務ではない(東京高等裁判所平成25年4月11日判決)。弁護士が銀行からの報告によって受ける利益は,反社的な利益であり,弁護士から銀行に対しては,報告を求める権利はない。というのが現在の裁判例です。

参照
弁護士法23条の2
第1項
弁護士は、受任している事件について、所属弁護士会に対し、公務所又は公私の団体に照会して必要な事項の報告を求めることを申し出ることができる。
第2項
弁護士会は、前項の規定による申出に基き、公務所又は公私の団体に照会して必要な事項の報告を求めることができる。

この記事を書いたプロ

菊池捷男

法律相談で悩み解決に導くプロ

菊池捷男(弁護士法人菊池綜合法律事務所)

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