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不動産 共益費の定め方

2014年11月1日 公開 / 2017年9月8日更新

テーマ:不動産法(賃貸借編)

コラムカテゴリ:法律関連

Q 今般,当社は,テナントビルを建築し,賃貸事業を始めることにしたのですが,賃料と共益費用を,どのような基準で分ければよいのでしょうか?


1,テナントが支払う金額は,共益費込み賃料(純粋の賃料+経費)か,賃料+共益費が多いと思いますが,共益費は,契約によって異なりますので,一義的に決まっているものではありません。
 不動産鑑定評価基準(昭和39年土地鑑定委員会の国土庁長官に対する答申により制定)では,新規賃料の鑑定評価の方法の一つに,積算法があり,この方法では,テナントから支払われる金額を,純粋の賃料と必要経費に分ています。そして,これらは,次の算式で試算賃料が出されます。
(1)純粋の賃料
 純粋の賃料=基礎価格に期待利回りを乗じて得た額
(2)必要経費
①減価償却費
➁維持管理費(維持費,管理費,修繕費等)
③公租公課(固定資産税,都市計画税)
④損害保険料(火災保険,機械,ボイラー等の各種保険)
⑤貸倒れ準備費
⑥空室による損失相当額
の合計額
(3)純粋の賃料+必要経費=試算賃料

2,共益費は,試算賃料のうちの必要経費の全部又は一部を,適宜共益費の名で分離している金額になります。
その分け方,すなわち共益費の算出方法に,ルールはありません。結局のところ,個々の契約によって異なります。必要経費の全部を共益費にすることもあれば,共用部分の経費のみを共益費し,専用部分の経費は,賃料に含めるなどもあります。

この記事を書いたプロ

菊池捷男

法律相談で悩み解決に導くプロ

菊池捷男(弁護士法人菊池綜合法律事務所)

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