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菊池捷男

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菊池捷男(きくちとしお)

弁護士法人菊池綜合法律事務所

コラム

不動産 使用貸借契約で貸した土地は,いつ返してもらえるの?

不動産法(賃貸借編)

2014年8月6日 / 2017年9月8日更新

Q 父の代に,親戚の人に,土地を貸してあげ,親戚の人はそこに木造住宅を建て,住み始め,それから,ちょうど50年になります。貸した方も,借りた方も,代が代わっており,現在は,親戚づきあいもしていません。
いつまで,無償で土地を使わせてあげなければならないのですか?


1,無償で使用させる契約は使用貸借契約
 財産を無償で貸すという契約は,民法593条で,「使用貸借は、当事者の一方が無償で使用及び収益をした後に返還をすることを約して相手方からある物を受け取ることによって、その効力を生ずる。」と規定しているとおり,使用貸借契約といいます。

2,契約期間は,借主の死亡時まで
 物を無償で貸すようなことは,通常は,親戚など縁故関係のある人の間でなされるのが一般です。ですから,民法599条は,「使用貸借は、借主の死亡によって、その効力を失う。」と定めているのです。
 要するに,使用貸借契約は,貸主と借主の個人的な関係によって結ばれた契約なので,借主が死亡した時は,消滅する,ということになっているのです。

3,ただし,土地の使用貸借の場合は,使用収益をするに足りる時まで。
 民法597条2項は,「当事者が返還の時期を定めなかったときは、借主は、契約に定めた目的に従い使用及び収益を終わった時に、返還をしなければならない。ただし、その使用及び収益を終わる前であっても、使用及び収益をするのに足りる期間を経過したときは、貸主は、直ちに返還を請求することができる。」と規定しています。ここから,長期の使用収益を目的として土地を貸した場合は,たんに借主が死亡したという理由だけで,契約が終了したとは考えられていません。使用収益をするに足りる期間が経過した場合でないと契約は終了しないとされているのです。

4,「使用収益をするのに足りるべき期間の経過」は,40年が目安
最高裁判所平成11.2.25判決は,使用収益をするのに足りるべき期間が経過していないと判示した原判決を,使用貸借契約後38年8か月が経過していること,と,貸主と借主の人的つながりが著しく変化していることなどを理由に,破棄しました。また,最高裁判所昭和59.11.22判決は,建物の使用貸借契約が借主の長期間の居住を目的とするものであっても,借主が本件建物の使用を開始してから約40年もの期間が経過したのであれば,特段の事情のない限り,上記使用貸借契約の目的に従った使用収益をするのに足りる期間は経過したと解するのが相当であると判断していますので,建物所有を目的とした使用貸借契約の場合は,長くとも,40年の経過で,一応,終了すると考えてもよいと思われますので,あなたの場合は,使用貸借契約の終了により,土地の返還を請求することは可能ではないかと思われます。

ご相談は弁護士法人菊池綜合法律事務所へ!

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