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不動産 不動産賃貸借契約で,中途解約条項が置かれていない場合に,中途解約ができるか?

菊池捷男

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テーマ:不動産法(賃貸借編)

1,建物賃貸借契約について
中途解約に関する条項がない場合に,解約ができる,と認めた裁判例はないようです。
法律の条文としては,居住用の定期建物賃貸借契約で,転勤などのやむを得ない事情のある場合に限り,借主から中途解約ができるという規定があります(後述の条文を参照)。
このような規定があるということは,この規定の適用を受けない場合は,特約が無い限り中途解約権はない,ということになります。

2,土地については,
最高裁昭和48年10月12日判決(第2小法廷昭和47年(オ)第367号保証金返還請求上告事件)が,土地賃貸借契約の場合,借主から中途解約をする権利はないと判示しています。

参照:
借地借家法38条1項
期間の定めがある建物の賃貸借をする場合においては、公正証書による等書面によって契約をするときに限り、第30条の規定にかかわらず、契約の更新がないこととする旨を定めることができる。この場合には、第29条第1項の規定を適用しない。

借地借家法38条5項
第1項の規定による居住の用に供する建物の賃貸借(床面積(建物の一部分を賃貸借の目的とする場合にあっては、当該一部分の床面積)が200平方メートル未満の建物に係るものに限る。)において、転勤、療養、親族の介護その他のやむを得ない事情により、建物の賃借人が建物を自己の生活の本拠として使用することが困難となったときは、建物の賃借人は、建物の賃貸借の解約の申入れをすることができる。この場合においては、建物の賃貸借は、解約の申入れの日から1月を経過することによって終了する。

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菊池捷男(弁護士)

弁護士法人菊池綜合法律事務所

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