コラム
民法雑学 保証人の責任は,書面で約束したときだけ
2014年2月14日
Q 私と同居をしている息子が,友人からお金を借り,その友人から厳しく返済を求められるようになりました。ある日,その友人が,息子のいないときに,私の家に来て,私に保証人になってくれ,そうでないと帰らないと言い出しました。そこで,やむなく,私は,保証人なるので,帰ってくれと言って,帰ってもらいました。契約書は作っていません。この場合,私には,息子の保証人としての責任があるのですか?
A
ありません。
民法446条2項は「保証契約は、書面でしなければ、その効力を生じない。」と規定しているからです。あなたの場合も,書面で保証の約束をしたのでない限り,保証人になることはありません。
実は,この民法446条2項は,平成16年の民法改正により,設けられた規定です。
その頃,サラ金が猛威をふるい,あるいは債務者の家を訪問し,あるいは家族に電話攻勢をかけ,本来責任のない家族の者にまで,執拗に支払を求めるなどの被害が頻出しました。サラ金の中には,家族の言葉尻を捉え,口頭による保証契約が成立したなどのいいがかりをつけて,訴訟を起こすようなことまでやり出しました。
そこで,国会が,民法を改正し,口頭の契約だけでは,保証契約は成立しないことにしたのです。
これにより,サラ金からの執拗な支払要求が,急激に減少していったように思います。
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