契約書 賃貸借契約で「公租公課は貸主が負担する。」との約定の意味
会社が就業規則や従業員との契約で、従業員が退職後、同業他社に勤務することを禁止する契約を結ぶ場合がありますが、このような契約を競業避止契約といいます。
このような競業避止契約は有効か?
大阪地方裁判所平成25年9月27日判決は、
①競業避止契約は、従業員の再就職を妨げてその生活を困難にするおそれがあるとともに,従業員の職業選択の自由や営業の自由に制約を課すものであること、
②従業員はその立場上使用者の要求を受入れてこのような特約を締結せざるを得ない状況にあることが一般的であること、から、
③これによって守られる使用者の利益の内容及び程度,退職者の従前の地位,退職者が制約を受ける行為・期間・地域等の内容及び程度,代償措置の有無及び程度等の事情を総合考慮し,その制限が必要かつ合理的な範囲を超える場合には,公序良俗に違反し無効となるものと解するのが相当である。
との基準を明らかにした上で、
①元従業員が、元勤務先会社の取引先や取引価格に関する情報を利用して営業をしても、そのような情報は、秘密として保護する必要性が高いとはいえないこと、
②競業行為・期間・地域を一切制限していない競業避止契約は、必要性、合理性を欠くこと、
③給与は年間300万円程度で、退職金もない元従業員に、代償措置を定めないことに合理性がないこと、
を理由に、この件の競業避止契約は,公序良俗に違反し無効であると判示しています。