法令用語 「ないし」や「乃至」は使わず,「から・・・まで」を使う。
監護・看護・観護
監護は、未成年者の監督と保護の意味(例:子の監護及び教育をする権利)
看護は、傷病者に対する療養上の世話の意味(例:看護師)
観護は、少年を観察・保護する意味(例:少年法17条の観護の措置)
管理・監理
管理は、財産の保存・利用・改良等(例:財産の管理人)をいい、
監理は、人を監視し、正しく行われるように指示・命令をすること(例:設計監理)をいい、
規定・規程
規定とは、個々の条文(例:第○条の規定により・・・)をいい、
規程とは、一連の条項の総体(例:規則その他の規程を定める。規程集)をいいます。
脅迫・強迫
脅迫は、刑法上用いられる用語(例:脅迫罪)で、
強迫は、私法上用いられる用語(例:強迫によりなされた意思表示)です。
権限・権原
権限は、なしうる能力の限界を意味し(例:権限を行使する)
権原は、なしうる法律上の根拠(例:権原により土地に附属させた物)
採決・裁決
採決は、議案の可否を決定すること(例:修正案を先に採決する)をいい、別の言い方としては、議決があります。
裁決は、法律上の争いに対し行政庁のする処分(例:収用委員会に収用又は使用の裁決を申請する)に用いられます。
施行・施工
施行(しこう)は、法令の効力を現実に生じさせること(例:民法が施行された)をいい、
施工(せこう)は、建築工事や土木工事を行うこと(例:工事施工者)をいいます。
収用・収容
収用は、財産に対する強制的な取得(例:土地の収用)をいい、
収容は、人又は物を特定の場所に一時的に収めておくこと(例:入国者収容所)をいいます。
清算・精算
清算とは、財産関係を整理すること(例:清算法人・債権債務を清算する)
精算とは、精密な計算で金額を確定させること(例:概算払に係る支出については、事後に精算が行われる)
遡及・遡求
遡及とは、過去に遡って用いること(例:法令の施行日前に遡及して適用する)をいい、
遡求は、手形・小切手等の所持人が、流通過程を遡って請求すること(例:手形の所持人から裏書人へ遡求する)
保障・保証・補償
保障は、侵害を防ぎ、保全すること(例:自動車損害賠償保障法)をいい、
保証は、他人の債務を代わって履行すること(例:債務を保証する)をいい、
補償は、財産上、精神上の損失を償うこと(損失を補償する)をいいます。
賠償・補償
賠償は、有責者が損害を補填すること(例:損害を賠償する)
補償は、無責者が損失を補填すること(例;災害補償)
損害・損失
内容は同じものですが、有責者から受けたものは損害(例:損害賠償)といい、無責者から受けたものが損失(例:損失補償)といいます。