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自治体がする契約 14 単年度主義と長期継続契約

菊池捷男

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テーマ:地方行政

1,会計年度の単年度主義と会計年度独立の原則
地方自治法208条1項は「普通地方公共団体の会計年度は、毎年4月1日に始まり、翌年3月31日に終わるものとする。」と定めています(単年度主義)
また、自治体は、2項で「各会計年度における歳出は、その年度の歳入をもつて、これに充てなければならない。」と定めています(会計年度独立の原則)。
そのため、同法211条は、「普通地方公共団体の長は、毎会計年度予算を調製し、年度開始前に、議会の議決を経なければならない。」と定めていますが、自治体がする支出には、複数年にわたる契約を締結する必要のあるものもありますので、その場合は、同法214条により「・・・普通地方公共団体が債務を負担する行為をするには、予算で債務負担行為として定めておかなければならない。」ことになっていますが、次の例外があります。

2,長期継続契約
長期継続契約といわれる契約は、地方自治法234条の3の「普通地方公共団体は、第214条の規定にかかわらず、翌年度以降にわたり、電気、ガス若しくは水の供給若しくは電気通信役務の提供を受ける契約又は不動産を借りる契約その他政令で定める契約を締結することができる。この場合においては、各年度におけるこれらの経費の予算の範囲内においてその給付を受けなければならない。」という規定により、債務負担行為として予算の計上は不要です。また、議会の議決も不要です。
なお、長期継続契約は、地方自治法234条の3の①電気、ガス若しくは水の供給若しくは電気通信役務の提供を受ける契約又は②不動産を借りる契約の他に、施行令による委任を受けて条例に規定されることになっています。
③リース契約等があります。

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菊池捷男(弁護士)

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