相続税のお話し 7 代償分割に潜む落とし穴
平成27年1月1日以降開始する相続にあっては、基礎控除額が、5000万円+相続人の数×1000万円から、3000万円+相続人の数×600万円へと、現行の6割になるだけでなく、相続税の税率構造が6段階から8段階になり、最高税率が50%から55%に引き上げられます。
一方で、小規模宅地等の評価減対象面積の拡大による減税がありますが、全体としては、相続税は大きく増税になるために、いくらかでも、相続税を節税できないかと、種々の方法が考えられ、専門家からも提案がなされています。
その中で、相続税をゼロにする方法として、海外移住があると、されています。
その方法は、現在相続税のない国(マレーシア、オーストラリア、カナダ、香港等)へ移住し、今ある財産もすべてその国に移転するというものです。
しかしながら、相続税法第1条に定める相続税の納税義務者の範囲は、結構広く、真に相続税がかからないことにするには、被相続人と相続人の双方が海外に移住して5年以上経過していること等の要件を満たす必要がありますので、誰でも、それができるというものではありません。