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相続税のお話し 3 第2の基礎控除といわれる小規模宅地等の評価減の特例制度

2013年5月17日

テーマ:相続相談

コラムカテゴリ:法律関連

コラムキーワード: 相続 手続き相続税

平成27年1月1日以降に開始する相続にあっては、基礎控除額が現行の6割になることは、昨日のコラムで紹介したところです。これにより相続税は増税になるのですが、一方で、第2の基礎控除といわれる小規模宅地等の評価減が、現行の面積よりも大きな面積について適用されることになる等の改正がありますので、この点は、減税になります。

 すなわち、現行法の下では、小規模宅地の評価減の(B)の特定居住用宅地については、240㎡までは、評価を路線価の80%にされているのですが、改正法では(すなわち、平成27年1月1日以降に開始する相続にあっては)、この面積が330㎡まで拡張されているのです。
 
その結果、例えば、1㎡あたり25万円(路線価)の居住用宅地330㎡を所有していた被相続人が亡くなって、同居の相続人が引き続きそこに居住するとした場合、
その宅地は、路線価では、25万円×330㎡=8250万円のところ、
現行の特定居住用宅地の適用を受けると、
その宅地は、25万円×240㎡×(100%-80%)+25万円×(330㎡-240㎡)=3450万円で評価されますが、平成27年1月1日以降に開始する相続にあっては
その宅地は、25万円×330㎡×(100%-80%)=1650万円で評価されることになるのです。

なお、小規模宅地等の特例には、上記の特定居住用宅地等(B)の他に、特定事業用宅地等(A)ー400㎡まで80%減ーの評価減、貸付事業用宅地等(C)ー200㎡まで50%減ーの評価減もあります。
それぞれ適用要件を異にします(特に(c)は計算が複雑)ので、実際の事案では、専門家にご相談下さい。

今次の相続税法の改正により、基礎控除額の引き下げによる増税と、特定居住用宅地等の評価減の対象になる宅地面積の拡大による減税が、同時に、なされるのです。

この記事を書いたプロ

菊池捷男

法律相談で悩み解決に導くプロ

菊池捷男(弁護士法人菊池綜合法律事務所)

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