建築 型式適合認定制度とは何ですか?
東京高裁昭和59.3.29判決は、
建築請負契約が、金額を確定額で結んだいわゆる定額請負の場合は、当初の見積金額を超える工事費用がかかったとしても、それが①契約締結時に当事者が予測することができなかった、②工事費用の増額が請負人の責に帰することのできない事情の発生によるものである、③契約で定められた請負代金の支払のみに限つたのでは契約当事者間の信義公平の原則に反すると認められるような著しい事情の変更があつた、という3つの要件があるときに限って、請負業者は、工事費用の増額分を施主に請求できると判示しました。
この事件は、契約締結前の見積書作成時点では、基礎工事の内容として、敷地の地耐力をN値(地盤の硬度)50と仮定したうえで、杭の直径や長さや本数を仮定して工事金額を見積もっていたのですが、その後、地耐力はN値30しかないことが分かったため、基礎工事費用が増額することになったのですが、同判決は、専門知識を有する建築業者である請負業者が、請負契約締結時において、基礎杭の本数の増加を予想することが不可能であつたとは考えられない等の理由で、増加した費用の請求は認めませんでした。