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コラム

著作権 31 著作隣接権③ レコード製作者 

2012年11月11日

テーマ:著作権

コラムカテゴリ:法律関連

1レコードなどの意味
レコードとは、蓄音機用音盤、録音テープその他の物に音を固定したもの(音をもつぱら影像とともに再生することを目的とするものを除く。)をいう(法2条1項5号)。
具体的には、昔よく聴かれていたレコードの他、CDやMD、ROMなど音を機械的に再現することのできるように固定した物である。
レコード製作者とは、レコードに固定されている音を最初に固定した者をいう(同6号)。

2レコード製作者の権利
⑴ 複製権(96)
レコード製作者は、そのレコードを複製する権利を専有する。
なお、レコードに固定された実演家の曲と同じ曲を同じ実演家が生演奏をしたものを録音しても、それはレコード複製権の侵害にはならない。
レコードについては、映画のようなワンチャンス主義は採用されていない。すなわち、映画でレコードが使われた場合、その映画の複製には、レコード製作者の許諾が必要になる。

⑵ 送信可能化権(96の2)
実演家の場合と違う点は、レコード製作者には映画のようなワンチャンス主義は採用されていない。すなわち、映画でレコードが使われた場合、その映画の送信可能化には、レコード製作者の許諾が必要になる。

⑶ 商業用レコードの二次使用料請求権(97)
放送事業者等が、商業用レコードを用いた放送又は有線放送を行つた場合には、そのレコードに係るレコード製作者に二次使用料を支払わなければならない。
なお、レコード製作者には放送・有線放送権は認められていない。

⑷ 譲渡権(97の2)
レコード製作者は、そのレコードをその複製物の譲渡により公衆に提供する権利を専有する。 
なお、レコード製作者が一度公衆に譲渡したレコードの複製物については、そこから先の譲渡については権利は及ばない。最初の譲渡で、譲渡権が「消尽する」からである。

⑸ 貸与権・貸与報酬請求権(97の3)
実演家の場合と同じ権利である。

この記事を書いたプロ

菊池捷男

法律相談で悩み解決に導くプロ

菊池捷男(弁護士法人菊池綜合法律事務所)

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